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日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

名曲の提供⑥(Do The GARIYA Thing by ラッパ我リヤ)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、久しぶりに“私的”名曲のご紹介をしたいと思います。今週のフリースタイルダンジョンに隠れモンスターとして登場したMr.Q。そんな彼が所属するクルー<ラッパ我リヤ>の名曲【Do The GARIYA Thing】について、今回は書きたいと思います。

実は私、フリースタイルダンジョンにQが登場して以来、その興奮からラッパ我リヤ熱が再熱し、ここしばらく彼らの楽曲ばかりを聴いています。久しぶりに表舞台に登場し、熱いラップを披露したQの姿に歓喜したHIPHOPファンも多かったのではないでしょうか。

それでは、彼らを代表曲【Do The GARIYA Thing】を改めて聴いてみましょう。

【Do The GARIYA Thing】


この楽曲は、2000年にメジャーデビュー作としてシングルで発表された楽曲です。その前月に、同レーベル所属のDragon Ashのヒット作【Deep Impact】(オリコン2位、売上:61万枚超)に客演したことで、その知名度を一躍広げた最高の状況下でのメジャーデビューでした。この楽曲【Do The GARIYA Thing】がHONDAのバイクCMにタイアップされたことも、いかに当時彼らへの注目度が高かったのかを物語っていると思います。

音楽業界におけるHIPHOPへの関心度の高まりと共に、メジャーシーンに登場したラッパ我リヤ。多くの人が思い描くHIPHOPアーティスト像ともマッチした彼らは、シーンのひとつのアイコンとなりました。当時、Dragon AshからHIPHOPを知り、ラッパ我リヤを介してHIPHOPシーンにどっぷり浸かっていった若者も多かったのではないでしょうか。彼らの風貌や、佇まいをはじめ、そのリリックライミングフロートラックに至るまで、どこをとっても“これぞHIPHOP”というような、一種のわかりやすさが彼らにはあったのだと思います。

Qと山田マンの2MCとDJ TOSHIによる1DJで構成されるラッパ我リヤ。久しぶりに聴き返してみると、Qと山田マンの2MCとしての理想的なバランスに改めて気付かされ、このクルーの魅力を再確認することができます。

正統派MCとして高い総合力を兼ね備えたQは、ラッパ我リヤの楽曲に一本図太い芯を通します。男らしい骨太のカッコ良さを纏うQのリリックが、ラッパ我リヤの象徴的イメージを創りあげ、支えているように私は思うのです。ライミング、リズム、フローその全てがバランスよく高次元に繰り出され、迸る熱いバイブスと、その魅力的な声が彼に唯一無二の武器を与えています。

“教科書にたよる奴は乗車拒否 近づく自然淘汰の日”

そしてもう一人、トリッキーでテクニカルなMC山田マンも、ラッパ我リヤには欠かせない存在です。変則的なフローと、固いライミングが持ち味である彼のラップは、一聴しただけで彼のものとわかる程の個性を持っています。楽曲としての幅を広げるとともに、高い中毒性をもたらす彼のラップは、ハマるとなかなか抜け出せません。

“山田マン参上 また波乱万丈 シャバは半狂乱 だからなんざんしょ”

Qは例えるならば豪速球ストレート。そして山田マンは変幻自在の変化球。これらをバランスよく投げ分けられるピッチャーが、ラッパ我リヤなのです。こんな黄金比ともいえるバランスを持つ彼らに勝るだけのクルーは果たしているのでしょうか。本当に理想的な2MCだと思います。

そして、そんな彼ら二人に共通する魅力として、ライミングの巧みさがあります。まさに日本語ラップにおける“ライムの教科書”とも言える程、心地良い韻の踏み方を我々に楽曲を通して提示してくれます。この楽曲【Do The GARIYA Thing】でも巧みなスキルを存分に見せつけています。ライム箇所に色を付けたリリックで二人のライミングをご紹介させていただきます。

やたらに 瞬きせず 新しい
輝きもった眼差しで阿呆黙らし
開拓するさ荒野 買いかぶるな坊や
やるなら丁か半か決めようか
みんな一緒 一生は一度
貴重な日々を 意地通生きよ

by 山田マン

手に持つマイクで
蹴りこむリリック
威力想像絶する
強火で相当熱する
将棋駒に例えりゃ
飛車・角両方の動きで
さっさと王将 いただく方向
47都道府県特別 DOPENESS
毒舌 届くぜ

by Mr.Q

文字面としても韻を踏んでいることがわかりますが、これを実際のラップで聴くとライム箇所に抑揚を付けられている分、更に韻を踏んでいることがわかりやすいと思います。ライムの置き方により、楽曲にリズムと勢いをつけるという、HIPHOPにおけるライミングの妙を改めて実感することができる楽曲ですね。この曲が日本語ラップにおけるクラシック曲として崇められているのも納得できます。

そして、クラシック楽曲には欠かせない名トラックの存在。この楽曲でもFUMAKILLAによるサンプリングを多用した印象的なループトラックが、二人のラップを引き立て、楽曲としてのクオリティを高めています。現在も、MCバトルでここぞという時にバトルビートとして使われており、トラック単体としても高い人気を誇っています。このトラックを聴くだけで高揚感が漲ってくるのはなんなのでしょうか。本当に素晴らしいトラックだと思います。

ちなみに、この【Do The GARIYA Thing】のジャケットは、ブルックリンを舞台にした映画【Do The Rhight Thing】のポスターをサンプリングしています。そもそもタイトル含め、同作品から着想を得たものかもしれませんね。私はこの映画は見たことないのですが、黒人を主人公にし、人種差別をテーマに描かれた内容のようで、劇中にはパブリック・エネミーの楽曲も使われているみたいです。いつか機会があれば是非観てみたいと思っています。

gagaga

さて、今回はラッパ我リヤについて書いてきました。2015年に6年ぶりに活動を再開した彼ら、フリースタイルダンジョンでQは「今年ラッパ我リヤのアルバムを発売する」という期待を高める発言もしていました。少し前に山田マンとQが小さな揉め事を起こしていたのが少し気がかりではありますが、Qの言葉を信じ、その今年出るという新作を期待して待っていたいと思います。

そもそも、WACKなMCを退治する「ラッパー狩り屋」と、いつでもどこでもラップしたがる「ラップしたがり屋」から名前を決めたというラッパ我リヤです。MCバトルの人気によりHIPHOPの裾野が広がり、玉石混淆と揶揄され始めた現在のHIPHOPシーンを正すため、そして何よりも自分たちの抑えきれぬラップへの衝動を形にするために、シーンに警鐘を鳴らす超大作を創りあげてくれることでしょう。今年の彼らの動きが楽しみで仕方ありません。

では、今回はこのへんで。



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6 Comments

-  

Qと山田マンのビーフ、初耳でした。
よろしければ詳しく聞きたいです!

2016/02/21 (Sun) 15:17 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: タイトルなし

> Qと山田マンのビーフ、初耳でした。
> よろしければ詳しく聞きたいです!

詳しくは、山田マン本人のTwitterやfacebookの発言を見ていただきたいです。
概要だけを言いますと、Qがタクシー会社の紹介ラップ(企業CM)をYouTubeに公開した行為が、ラッパ我リヤのこれまでの活動に対する背徳行為だと、怒りを露わにする発言を山田マンがSNS上でつぶやいて、それに対する曲を書く(ディス曲?)発言をしたことで、ネット上で、「内紛勃発だ」「分裂だ」「BEEFか」などと話題になったんです。

ただ、よく考えればまだ「BEEF」にはなっていないので、大げさな書き方をしてしまいましたね^^;記事の表現を修正させていただきます^^

2016/02/23 (Tue) 20:50 | EDIT | REPLY |   

ポテト  

同じくフリースタイルダンジョンのQの登場から我リヤ熱が再発してまた聴くようになりました。
ドゥ・ザ・ライト・シングはブラックムービーの中でも有名なだけあって中々面白かったです。

2016/02/23 (Tue) 22:54 | EDIT | REPLY |   

-  

度々コメントしている者です。

ラッパ我リアの象徴的イメージを創りあげ、支えているように私は思うのです。ライミング、リズム、フローその全てがバランスよく高次元に繰り出され、迸る熱いバイブスと、その魅力的な声が彼に唯一無二の武器を与えて

ラッパ我リアになってますよ(笑)

あくまで筆者様は中立的な立場かもしれませんが、山田マンもSHOなんていうワックなMCと絡むのは辞めてほしいですね。

2016/02/24 (Wed) 11:34 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: タイトルなし

> 同じくフリースタイルダンジョンのQの登場から我リヤ熱が再発してまた聴くようになりました。
> ドゥ・ザ・ライト・シングはブラックムービーの中でも有名なだけあって中々面白かったです。

コメントありがとうございます^^
同じように我リヤ熱が再発した方がいて嬉しいです。映画見られたんですね!面白いなら、尚更見たくなりました!今度TSUTAYAで探してみたいと思います!感想教えてくださりありがとうございました^^

2016/02/25 (Thu) 21:20 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: タイトルなし

> 度々コメントしている者です。
> ラッパ我リアの象徴的イメージを創りあげ、支えているように私は思うのです。ライミング、リズム、フローその全てがバランスよく高次元に繰り出され、迸る熱いバイブスと、その魅力的な声が彼に唯一無二の武器を与えて
> ラッパ我リアになってますよ(笑)

いつもご指摘ありがとうございます。修正させていただきました!助かります^^

> あくまで筆者様は中立的な立場かもしれませんが、山田マンもSHOなんていうワックなMCと絡むのは辞めてほしいですね。

私、あんまりSHOのこと知らないんですよね^^;話題になっていることは知っているのですが。。
なのでノーコメントでお願いします。笑

2016/02/25 (Thu) 21:30 | EDIT | REPLY |   

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