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新作音源に小さく貢献⑪(WORDER / I.D.F. by ILLDEFRESH)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、先日フリー配信が開始された音源についてご紹介したいと思います。この作品の為に集結し、この作品をリリースすると共に解散した覆面ラッパー軍団<ILLDEFRESH>の作品【WORDER / I.D.F.】です。

本作は、その優れた企画力と豊富な人脈でこれまでも幾度となく楽しい作品や企画を提供してきた知る人ぞ知る偉大なるお方<おならBOO>さんの最新プロジェクト作品です。フリーの音源とは思えないほどクオリティが高く、とにかく楽しい楽曲になっています。

是非、多くの人に聞いて欲しいと思っています。

【WORDER / I.D.F. by ILLDEFRESH】
WORDER / I.D.F. by ILLDEFRESH

<収録曲>
1.WORDER(BPM110)
2.I.D.F.(BPM96)
3.WORDER(acappella)
4.I.D.F.(acappella)
5.WORDER(+1ver参加型instrumental)


私がおならBOOさんの存在を知ったのは、昨年ブログ開始と共に使い始めたTwitterでした。その時は【BOOST COMPI vol.4】というフリー配信アルバムを発表されていて、大きな話題になっていたことを覚えています。その作品はとてもバラエティに富んだ楽しい内容で、私は今でもたまに聴かせてもらっています。(中でもMC松島と8ronixの楽曲【心のブルジョア 】は今でもお気に入りの一曲です。)

そんなおならBOOさんの最新プロジェクトとして作られた本作は、他作品と同様に、HIPHOPやMC達に対する深い愛と、聴く人を楽しませる為のたくさんの工夫が盛り込まれた素晴らしい作品になっています。私は、本作から“大人ならではの気取らないカッコよさ”を感じられて、そこがたまらなく好きです。またこの作品からは、“大人だからこそ出せる余裕や遊び心”を感じる一方で、“大人になっても今尚燃やし続ける情熱や子供心”も同時に感じられ、いい大人である私としても、とてもポジティブな刺激をもらうことができました。若手アーティストから感じられるギラギラ感にも、時に大きな刺激をもらうことができますが、またそれとは違う刺激をもらえたような気がします。

視聴用にサウンドクラウドにも音源がアップされています。少しでも興味をもたれた方は、とにかく聴いてみて下さい。

【WORDER】


この楽曲は、本作品のリード曲で、タイトルからも解るように「言葉」をテーマに作られた楽曲です。個人的にもとても興味をもっているテーマだったということもあり、10名のMC達による十人十色の「言葉」に対するリリックはとても興味深く響きました。ラッパーという自身の「言葉」を武器に戦っている人達が「言葉」で語る「言葉」からは、それぞれの拘りが感じられ、大変面白いです。ダウンロードすると、リリックも読めるので、是非一度はリリックを読みながら聴いてみて欲しいと思います。

10名ものMCが参加した楽曲で、これだけ各MCの個性が被らずにバランスがとれていて、それぞれのバースに聴き応えがあり、何度も聴き返してしまうマイクリレー曲はなんだか久しぶりに聴いたような気がします。誰ひとりとして楽曲に埋もれていないのではないでしょうか。それぞれのキャラクターがここまでバラけるのは、メンバーの選出が凄いのか、それともMC達のアプローチが凄いのか。おそらく、その両方なのでしょうね。とても楽しいマイクリレーになっています。

それと、この楽曲を聴いていて、フィーメールラッパーが参加したマイクリレーは、やはり華があるなと改めて感じました。特に今回のような大人数でのマイクリレーでは尚更ですよね。楽曲における最高のアクセントになっていると思います。また、この楽曲はなんといってもHOOKがとにかくカッコいいです。何度も繰り返し登場するHOOKのカッコよさは楽曲全体の出来も左右する重要な要素だと思いますが、この楽曲はそのHOOKがとても魅力的です。思わず口ずさんでしまいます。

そして、この曲ではMC毎にトラックが変化していきます。にも関わらず、一曲通してとても気持ちよく聴かせ、ひとつの楽曲として纏めあげるトラックメイクの技術にはとても感銘を受けてしまいました。最後のHOOKの部分では、得体の知れないカタルシスがこみ上げてくるのを感じてしまったほどです。聴き終えたばかりなのに、またすぐに最初から聴きたくなる衝動に駆らせる魅力をこの楽曲が持っているのも、この優れたトラック構成に拠るところが大きいのではないかと思います。

とにかく、ラップ、トラック共に大好きな楽曲です。

【I.D.F.】


こちらは、テーマを特に設けずに作られた楽曲です。BOOさん的には、製作が難産だったということもあり、WORDERよりも思い入れが深い楽曲になったそうです。HOOKに落語のサンプリングが使われているのが面白く、トラックは曲を通して変化の大きいWORDERとの対極を狙った、あまり変化のないシンプルな構成でつくられています。

そんなトラックだからこそ、各MCはWORDER以上にスキルフルなアプローチをしているような印象を受けました。各パートでトラックの変化がない分、10名の中で自身を埋もれさせない為には、自身のラップだけで個性を出す必要があるからでしょうね。結果として、フローやリリックのトピックにおいてもバラエティに富んだ内容になっているように思いました。魅力的なリード曲WORDERに添えるに相応しい、各MC達の違った側面を見せてくれる味わい深いカップリング曲だと思います。

作品参加者のご紹介

それでは、WORDERにおけるマイクリレーの順番で、作品の企画者であるおならBOOさんのコメントと共に、各作品参加者(MC、トラックメイカー、デザイナー)をご紹介させてもらいます。楽曲を聴きながら読んでいただければ幸いです。

■MC1:ill.i.am(VANILLA)
illiam

“言語配達便 お前もそのベロ乗せりゃ快楽死”

■MC2:MC MY MEN(Z.I.O-RAMA)
ZIO

“もしもこの世に言葉がなければ手話や踊りでやるしかないか?”

■MC3:Yperite(ぎぎぎのでにろう)
yperite

“形が有るようで無いのにirony 見透かしたつもりで...”

■MC4:FRESHMAN(モコ THE INGASKI)
モコ

“一言が全てを物語る 自分の発言にはしっかり込めろよ言霊”

■MC5:鳩胸肉揉み子(doggydogg)
鳩胸

“このバースのおかげでバズるこの曲 Twitterのサーバーがおちる”

■MC6:りゅうがしどう(宗像じぶん)
りゅうがしどう

“評論家的悪ノリつぶやきシロー ついばむカラスの色は白”

■MC7:ペペロンチーノ(メトロ熊壱)
ペペロンチーノ

“赤点チョン付いた国語力で国宝のラップ目指すオゴポゴ”

■MC8:ARAWADO(貫井りらん)
AWAWADO

“女心と秋の空 ちゃんと使える様にメラゾーマ”

■MC9:MCミンナナカヨク(菊禅ダリオ)
ミンナナカヨク

“「伝わりづらい」も0じゃないとすれば 何度でも重ね続けりゃ100になる”

■MC10:阿部道場(おならBOO)
おなら

“くだらん事だけ言っときたいの なんだか直視出来ない時代を”

■トラックメイカー1:killill(kiwy)
kiwy

■トラックメイカー2:JUST FLAZE(KRONOVA)
kron

■デザイナー:えいこう
デザイナー

この作品には、上記でご紹介した2曲以外に、それぞれの曲の【acappella】と、ワンバース分のトラックの“余白”を設けた【+1ver参加型instrumental】のWORDERが入っています。前者はトラックメイカー達のREMIX用、後者はMC達のラップ録音用ですね。このようにネットラップならではの二次創作への配慮がされている点も、芸が細かく、よく考えられているなと感じました。現にRemixや追加バースの音源が次々に発表されています。そして、デザイナー<えいこう>さんによるアルバムジャケットが、私も大好きなイギリスのカートゥーン・バンドGorillazのアルバムジャケットをサンプリングしているという点も、個人的にはこの作品への愛着を更に深めてくれたように思います。

その他にも、本作を多くの人に広める為「告知自体を作品化」したおならBOOさんの高クオリティな広告たちにも、大変楽しませていただきました。多くの時間と労力を使い、大好きな音楽やMC達を世に広める為に活動をされるBOOさんの行動と志には、本当に多くの刺激と感銘を受けています。このような方たちの存在によって、HIPHOPシーンが支えられているのではないかと私は思っています。これからもたくさんの企画や作品を心から楽しみにしています。

BOOさんのツイートによると、既に本作のダウンロード数が1000を超えたようですね。これだけ楽しい作品がフリーで手に入るなんてとても嬉しいことです。もっともっと多くの人に届くことを祈っています。


★★★【音源のフリーダウンロードリンク】はこちら★★★


では、今回はこのへんで。
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2 Comments

ybm  

お初に

pto6さん記事毎回拝見しています。
宜しければUMB2015の記事を書いていただけますか?
pto6さんの考察はとても面白いです。

2016/04/07 (Thu) 09:23 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: お初に

> pto6さん記事毎回拝見しています。
> 宜しければUMB2015の記事を書いていただけますか?
> pto6さんの考察はとても面白いです。

ybm さま
コメントありがとうございます。とてもうれしいです^^
ただ、私はいつも考察なんて大層なものじゃなく、個人的な感想を書かせてもらっているだけですよ!笑

記事のリクエストいただき、とても光栄なのですが、UMB2015のDVDについては、書くかどうか現状少し迷っています。
といいますのも、現在のLibraと9sariの争いが激化している状況では書きづらいというのが一つあります。特に最近ライブラ側への風当たりが厳しいので、安易に記事を書けないな(書きたくないな)と感じてしまっているのが正直なところです。

あと、もう一つの理由としては、最近MCバトルのファンの数が去年と比べても増えたような気がしていて、UMBの感想をとっても、Twitter等で山のように読むことができます。そんな中で、ブログに書いてわざわざ読んでいただくだけのことが私に書けるのか、正直自信ありません。笑

ただ、今回このように、ありがたいコメントをいただけたので再度検討させてもらいますね^^
まぁ書くとしても、Libra問題の熱がもう少し下がった時に書かせてもらうと思いますが。

リクエストいただき本当にありがとうございました。とても嬉しかったです^^
少し考えさせていただきます。

2016/04/07 (Thu) 22:11 | EDIT | REPLY |   

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