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Pto6の備忘録②(好きなライム集 Part.2)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、先月から新たに始めた箸休め記事の第2回をやりたいと思います。このシリーズではあまり書く内容を固定化するつもりは無いのですが、今回までは前回に引き続き【好きなライム集Part.2】を書かせていただきます。

関連記事【好きなライム集Part1】はこちら

前回も思い出したものから、なんの脈絡も無く、ただただ好きなライムについて書かせていただきました。Part.1を書いて以降は、Part.2に向けて思いだしたライムをその都度メモをとっていたのですが、このたびそのメモが5つ溜まりましたので、Part.2を書かせていただきます。

好きなライム集Part.2

それでは好きなライムを、好きな理由や感想と併せてご紹介していきたいと思います。単なる個人的な備忘目的のまとめではありますが、誰かの何かのキッカケになれたら幸いです。


“触れるのは琴線か逆鱗かどっち?
増えるのは金銭か責任かどっち?”

【オピニオン】 by R-指定


R-指定のファーストアルバム【セカンドオピニオン】において、第一曲目第一声として放たれるリリックです。MCとして名を上げることで“触れる”のは誰かの“琴線か逆鱗か”。そして、そのことで“増える”のは“金銭か責任か”。押韻としても、対比表現としても秀逸なこのリリックを初めて聴いたとき、フリースタイルではない“音源として残す言葉”に対するR-指定の強い拘りを感じたことを覚えています。そして何より、音源アーティストとしての道を歩み始めたばかりの当時の彼が抱えていたであろう、将来への不安感や周りへの猜疑心がにじみ出た表現となっており、彼の人間味を感じることができるといった点においても、私は大好きなリリックです。


“いかがわしい話さらりかわし魂から詩出す浪人
また韻から韻かなり固いさらに中身極上品”

【TA-KA-YO-U-JI (侍バウンス)】 by DABO feat.KREVA(KREVA)



この曲に出会って以来、思い出してはついつい何度も口に出してしまうライムです。「a・a・i」の母音を隙間無く繰り返した後、句末で小休止的に別の音で踏む、といった韻構成になっており、そのリズミカルな押韻が生み出す中毒性に、私はすっかりハマってしまいました。無駄な音を一切挟まずに韻を踏み、文章としても成立させているこのリリックからは、まさに“極上品”ともいえる洗練さを感じることができます。この楽曲のように、客演時のKREVAは、自身の楽曲の時とは異なり、リリックのメッセージ性よりも、ライミングや言葉遊びに重きを置いたものが多い気がします。それゆえにスキルフルなものも多く、オリジナル楽曲とは違ったKREVAの魅力を感じることができるので、私は彼の客演曲が大好きです。


“かつての「ナシ」も「ナシ」じゃないってのは別に悲しい話じゃない”
【Still Changing】 by RHYMESTER(宇多丸)



前回に続き、またRHYMESTERのリリックをひとつ。彼らのリリックについては、どの楽曲においても心惹かれるライムがあるので、おそらく今後何度も彼らのライムをご紹介することになるでしょう。今回のこのライムは、現レーベルに移籍した際の第1弾シングルとして発表された楽曲の一節です。長年のキャリアを築いた後、心機一転し再スタートを切る彼らが、“変わり続けること”を肯定的に歌うことで、その言葉からは字面以上の重みを感じとることができると思います。踏んでいる文字数や言葉のチョイス自体は平凡であるにも関わらず、このラインが“特別”になるのは彼らが歌うからこそです。このリリックのように、文章の“意味”も、歌い手の“意思”も通すRHYMESTERのライムには、いつも心を揺さぶられてしまいます。

関連記事【Bitter, Sweet & Beautiful by RHYMESTER】はこちら


“野郎のみで一年に一度の日祝うなんて異次元に行きそう”
 【クリスマス・イブRap】 by KICK THE CAN CREW(MCU)



今でも毎年クリスマスシーズンになると、カラオケで歌ってしまう楽曲です。(その際はもちろんLITTLEパート「2001~」の部分はその年の西暦に変えて歌います。笑)KREVA、LITTLEというライム巧者の二人がメンバーにいることで、キックにおけるMCUに対しては“韻が固い”という印象を特に持ってはいないのですが、このライムについては、キックの全楽曲中においても特に私の印象に残っているライムの一つです。独り身の男が送る空しいクリスマスを見事に表現してみせた、思春期の男心に深く刻まれる印象深いラインだと思います。この曲の大ヒットにより、一躍メジャーシーンの中心にまで躍り出た彼らでしたが、こうして今一度彼らの楽曲を聴いてみると、全編通して巧みなライミングが施されているという事実に改めて驚いてしまいます。HIPHOP要素をしっかりと残しながらも、KUFU次第でメジャーシーンにも受け入れられるという、なによりもの証明ではないでしょうか。


“成功が努力よりも先なのは辞書だけだ保証もないものに一生を賭けな”

【奮エテ眠レ】by ZONE THE DARKNESS



ヘアーデザイナーであるヴィダル・サスーンの名言をサンプリングした、心に突き刺さるリリックです。そして、それだけ高いメッセージ性を持ち合わせていながらも、しっかりと韻を踏んでいるという点に、ただの教訓や格言ではなく、HIPHOP曲として表現することへの必然性と、ZONE THE DARKNESS(現ZORN)のHIPHOPアーティストとしての強い美学を感じることができます。「HIPHOPたるもの韻を踏むべきか否か」という議論は、これまで何度も繰り返されており、その件については私も明確な答えを持ち合わせていません。しかし、このように高いメッセージ性と固い押韻を兼ね備えたリリックに出会えた時、そのHIPHOPならではの味わい深い表現に、やはり感動を覚えてしまいます。そして、そのような感動に出会う為に、私はHIPHOPを聴いているような気がします。

関連記事【My life by ZORN】はこちら

ライム集2

さて、今回は前回に引き続き【好きなライム集Part.2】を書かせていただきました。Part.3については、また好きなライムのストック(思い出したり、新たなものに出会ったり)が溜まったタイミングで書きたいなと思っています。そして、今後この【備忘録】シリーズについては、好きなライム集に限らず、様々なことについて自由に書いていくつもりです。何を書くにせよ、とても個人的な内容になることが予想されますが、もし興味を持っていただける稀有な方がいらっしゃれば、次回も読んでいただけたら幸いです。

では、今回はこのへんで。

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