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このDVDが良い雰囲気⑪(戦極MCBATTLE第13章 全国統一編)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、“戦極史上最大”にして“2015年最高の大会”とも名高い舞台、【戦極13章全国統一編】について、DVDで改めて振り返っていきたいと思います。


とにかく豪華な面子が揃っており、レベルの高い試合ばかりです。そして特筆すべきは、MC正社員により選出されたMC達の個性が、絶妙にバラエティに富んでいるという点です。R-指定の登場により、彼のスタイルを雛形とした所謂“量産型”と揶揄されるスタイルが目につくことが増えた現在のシーンにおいて、これだけバラエティ豊かなMC達を集められるというのは、MC正社員ゆえに実現できることではないでしょうか。

今回の記事では、そんな戦極13章において、私が特に印象に残ったMC達について書いていきたいと思います。

【戦極MCBATTLE第13章 全国統一編】
13 

<出場MC>
01. TKda黒ぶち / 02. MC KUREI / 03. K-razy / 04. Amateras / 05. MC☆ニガリ / 06. MCマロン / 07. ACE / 08. カクニケンスケ / 09. 諒太 / 10. Carter / 11. HRS / 12. R'kuma(レオクマ) / 13. peko / 14. 呂布カルマ / 15. DOPE MAN / 16. ANRI / 17. Lick-G / 18. mcRey / 19. ガッティ / 20. NAIKA MC / 21. CHICO CARLITO / 22. あっこゴリラ / 23. BASE / 24. MAKI DA SHIT / 25. bunTes / 26. 我次郎MIC / 27. MAKA / 28. luiz / 29. やんでぃ / 30. 魅RIン / 31. Breaker(ブレイカー)/ 32. 言xTHEANSWER / 33. Rude-α / 34. 黄猿 / 35. Small fish / 36. GADORO / 37. 焚巻 / 38. ふぁんく / 39. 歩歩 / 40. BALA a.k.a SHIBAKEN / 41. 萌黄 / 42. BOZ / 43. Mr.Smile / 44. Kowree / 45. Sco-Pion / 46. ミクソン重一 / 47. KBD / 48. NAJIMI / 49. ハハノシキュウ / 50. G.O / 51. はなび / 52. BATTLE手裏剣a.k.a渡邉4:20 / 53. CIMA / 54. MADJAG / 55. O.Z / 56. 蛇 / 57. MIRI / 58. KENTHE390 / 59. 晋平太 / 60. 漢 a.k.a. GAMI / 61. J平 / 62. Chemicl / 63. ミステリオ / 64. LifeSaver / 65. kaz kikuchi 


印象に残ったMC

とにかく魅力的なMCが多すぎるこの大会。その為、記事を何個かに分けて書くことも考えたのですが、どちらにせよ全てのMCについては書くことができないので、悩みに悩んで決めた5名についてのみ今回は書かせてもらいます。ちなみに、少し前に書いた【戦極13章ベストバウトの記事】の時に触れたMC達は、重複するので今回は対象外としています。それではいってみましょう。


【MAKA】
MAKA 

この大会で最も名を上げたMCは、おそらく彼ではないでしょうか。実力と人気を兼ね備えたpekoとの一戦における先行のワンバースだけで、完全に会場の空気を掴み、当初の下馬評を覆し怒涛の勝ち上がりを見せました。そして勝ち上がる度に彼に浴びせられる歓声の声は大きくなり、最後の方では、最初に登場した時の歓声の小ささが信じられなく感じるほどでした。


そして、大きな歓声と彼の活躍に、終始嬉しさを隠せない様子だったのはMC正社員です。その実力をいち早く見出し、これだけ猛者揃いの大舞台に大抜擢したMAKAが、自分の期待通りの活躍をしてくれたのです。嬉しくないはずがありませんよね。MAKAのラップは、一聴しただけでも卓越したリズム感を感じさせ、ビートに合わせたその気持ちの良いフローは、ただただ聴く者を魅了します。そして、フローの気持ちよさを損なわず、メッセージとアンサーを織り込めるところが、ただのフロー巧者とは一線を画するところだと私は思います。この大会で名を売った彼が、今後どのような活躍を見せるのか。非常に楽しみでなりません。


【MIRI】
MIRI 

人気アイドルラップクルーRHYMEBERRYのMIRIが戦極に登場です。MCバトルの大会に出場することが決まっただけでニュースになるラッパーが、果たして彼女以外にいるでしょうか。正直な話、“出場することだけで意味がある存在”であった彼女ですが、そのフリースタイルは誰の想像をも超えるクオリティの高さでした。この大会に向けてハハノシキュウとの特訓をしたという彼女が放ったワンバースは、半信半疑で見ていた観客の心を一気にロックしてしまったのではないかと思います。


結果、UMB2015大阪チャンプのK-razyと互角に渡り合い、勝負は(本人ですら)予想外の延長戦までもつれ込むことになります。彼女の放つラップは、彼女にしか言えない言葉たちばかりでした。自分にしか言えない言葉を吐く。こういうと至極当たり前なことのようですが、実はこれは案外難しいことだと私は考えています。よくバトル中に、「誰が相手でも言えるラップはするな」というディスを聴くことがありますが、実はそれ以上に“自分だけにしか言えない言葉”を放つことの方が、難しいのではないかと思います。そういう意味でこの時のMIRIは、誰が聴いても彼女にしか言えない言葉を放っており、その時点で他とは替えの効かない誰よりもオリジナルな存在だったと私は思います。


【ACE】
ACE 
とても絶好調に見えたこの日のACE。彼のフリースタイルの上手さは、既に周知の事実です。でもだからこそ、そんなACEを観る観客の期待値は最初から高く、それを越えていくことは簡単なことではないように思います。しかし、この日のACEは、そんな周囲の期待値すらもまだまだ過小評価だと言わんばかりに、縦横無尽なフリースタイルを見せ、会場を大いに沸かせてくれました。

とにかく、バラエティに富んだ戦い方で楽しませてくれたACE。スキルを見せつけ、ユーモアで盛り上げ、的確なアンサーで打ちのめす。自らを“写輪眼スタイル”と豪語するACEですが、その時の対戦相手に合わせ最適なラップを繰り出すことができる彼からは、改めてMCとしての総合力の高さを感じました。メディアの露出も増え、その実力と魅力が広く浸透してきている彼ですが、きっと彼のピークはこんなものではないでしょう。この大会で、そんな彼の底知れぬ可能性を垣間見ることができたように感じました。

【漢 a.k.a.GAMI】
漢akaGAMI 

MCバトルのレジェンド漢。これだけの面子の中においても、誰よりも抜きん出た圧倒的オーラを放っていました。そして、観客や出場するMCをはじめ、その場にいた全ての人が、彼に対してリスペクトを送っているように感じました。観客は、漢のバトルを生で見られることへの興奮を、そして対戦するMCは、漢の胸を借りることができる喜びを、噛み締めているかのようでした。


BATTLE手裏剣カクニケンスケという個性的な二人のMCを倒し、焚巻とのリベンジマッチを制すると、漢の前に立ちはだかったのはKEN THE 390でした。10年前に遡る彼らのバトルの歴史。それを紐解きながらもバチバチにぶつかってくるKENを前に、漢のラップも徐々に熱を帯びてきます。2005年の時にはあんなに小さな箱でバトルをしていた二人も、今やこのO-EASTの大舞台で1300人の大観衆を前に戦っているのです。そして現在フリースタイルバトルは社会現象にまでなり、地上波の番組において共演を果たしているのです。おそらく、私が想像する以上に、こみ上げてくる想いが二人にはあったに違いありません。この大会を通じて私は、改めてレジェンド漢の凄さを感じることができました。


【NAIKA MC】
NAIKAMC 
とにかく抜群の安定感。相手が誰であれ、巧みに自分のペースに持っていく試合巧者ぶりは流石でした。彼の試合運びを考えると、じゃんけんで勝って先行を選ぶのにも納得がいきますよね。先手で試合の流れを完全にコントロールするという、“先行のお手本”とも言える完璧なワンバースを毎試合で放っていました。その先手必勝の試合運びと、圧倒的な声量、そしてユーモアを織り込んだアンサーを武器に、この日彼は、錚々たるMC達の頂点に立ちました。

これだけの面子が揃った中で、彼の優勝を予想していた人がどれほどいるでしょうか。もちろん誰もが実力を認めるベテランである彼ですが、ここ数年において彼は、苦汁をなめさせられてきました。2011年のUMB準優勝をピークに緩やかに下降線を辿り、UMB2013、UMB2014と二年連続で一回戦負けを経験した彼は、この年に至っては、UMB東京予選においてMC正社員にも破れています。“NAIKAはもう終わった”そんな声が彼の耳にも届いていたことを、優勝後のウイニングラップで彼自身が語っていました。

そんな状況の中、それでも自分の信じるスタイルで強敵たちをなぎ倒し、この年最も注目を集めたこの大舞台で、彼はその実力を改めて見せつけてくれたのです。MCは自分の信念が折れない限りは終わらない。そのことを改めて痛感させてくれました。彼の優勝を心から嬉しく思います。



上記の5名以外にも、正直書ききれない程、言及したいMCはいました。ベストバウト記事で書かせてもらった晋平太CHICO CARLITOKEN THE 390ハハノシキュウは、もちろん全ての試合において熱い戦いを見せてくれました。また、相変わらずの存在感を発揮した前回王者の呂布カルマも印象に残る試合をしていましたし、その呂布カルマを倒したKBDも、バイブスを乗せた押韻を武器に、怒涛の連勝を見せ会場を沸かせていました。そして、この日の会場の空気をワンバースのみで作り上げた魅RIンも、一試合のみにも関わらず、大きなインパクトを残したMCのひとりだと思います。

その他にも、スキルフルな進化を続けるサラリーマンラッパーBOZ、卓越したライミングで敵を切り裂きまくるGADORO、持ち前の高速ラップで会場を沸かせた焚巻らのバトルもとても印象に残りました。そして、相変わらずのラップの上手さとユーモアを見せてくれたふぁんくの活躍も個人的にはとても嬉しかったです。あとはガッティも圧巻のバトルでしたね。去年のUMB準優勝はやはり伊達ではありません。あとは・・・と、このように語りだしたらキリがないので、このへんで止めておきましょう。とにかく、どの試合も見応えのある最高の大会だったと思います。全ての出場MC、大会運営をしたスタッフ全員に最大級の感謝とリスペクトを送らせていただきます。

スペシャルサンクス 

最後に。あまりの驚きでTwitterにも投稿してしまいましたが、DVDエンドロールのスペシャルサンクス欄に、なんと私“Pto6”の名前を入れていただいていました!このような素晴らしい大会のDVDに名前を載せて頂き大変光栄に思います。本当に粋な計らいをしていただき感謝です。MC正社員さん、本当にありがとうございました。
さて、こうして戦極13章をDVDで改めて振り返りましたが、全然語り尽くせていない気がします。でも、あまりに語りすぎてしまうのも野暮というものでしょう。これだけの素晴らしい大会です。是非、実際に自分の目で見て楽しんでもらいたいと思います。きっと損はしないと思いますよ。

では、今回はこのへんで。


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