HIPHOPの必須トーク

日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

名曲の提供⑧(TOP ROCK by Mellow Yellow)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、久しぶりに“私的”名曲をご紹介したいと思います。最近iTunesを整理したキッカケで久しぶりに思い出し、懐かしさのあまりここ数日何度も繰り返し聴いていた楽曲、Mellow Yellow【Top Rock】です。

それでは、いってみましょう。

【Top Rock by Mellow Yellow】


“特別なオンリーワン更にどうせなら目指せナンバーワン”

とにかく、流れると自然と身体が踊りだしてしまうほどダンサブルな楽曲です。そして中毒性の高いフック一度聴くとなかなか頭から離れてくれません。

Mummy-D(Rhymester)の実弟としても知られるKOHEI JAPANと、KINDJ ISOという2MC1DJで構成されたクルーMellow Yellow。日本語ラップの黎明期に活躍した人気クルーですが、2010年に活動休止を発表して以来、現在はそれぞれソロで活動をしています。古き良き時代のHIPHOPサウンドで構成されたクオリティの高い作品群は、今聴き返してみても全くその輝きが失われていません。

この楽曲は、2007年に発売されたベストアルバムに新曲として収録された曲ですが、この曲でいう「バトル」というのが、ブレイクダンスのフリースタイルバトルを差しているというところに、ここ10年弱における時代の変化を改めて感じさせられてしまいます。現在、日本のHIPHOPシーンにおいて、何の前置きもせずに「バトル」というと、MCバトルを想起する人が多いのではないでしょうか。

もちろん2007年にもMCバトルはあり、さらに言えばDJバトルもありました。そして現在も世界的に見ればダンスバトルの方が競技人口は多いのかもしれません。それでも、この「バトル」という言葉が指す対象の変化をみただけでも、日本のHIPHOPシーンにおいて大きな変化がもたらされたということを、私は改めて感じることができました。

さて、話を楽曲に戻しましょう。

とにかくダンス映えするこの楽曲を、私はブレイクダンスをしていた友人から教えてもらいました。この曲は日本のブレイカーたちにとって、有名なダンサーズアンセムのひとつだそうです。たしかに私も街中で何度かこの曲で踊っているダンサーを見かけたことがありました。ちなみにタイトルのTop Rockというのも、ブレイクダンスにおける基本的なステップのひとつです。上記のMVでも何度もそのステップが登場していますね。

このダンサブルなリズムを作り出しているのは、これぞブレイク・ビーツといわんばかりの中毒性の高いループトラックです。サンプリングにはAlan Parkerの70年代の楽曲The Hawkが使われています。原曲も思わず聴き入ってしまうほど素晴らしい楽曲です。こちらも是非聴いてみて下さい。

【The Hawk by Alan Parker】


さて、今回ご紹介した【Top Rock】ですが、私はこの曲を聴いて、改めてHIPHOPの音楽は元来ダンスミュージックだったということを痛感させられました。B-BOYの“B”も、もともとは“Break'n”からきたものですしね。

そして、そんなダンスはもちろん、DJプレイや、随所にグラフィック効果を感じさせるこの楽曲のMVをみていると、ラップDJブレイクダンスグラフィティというHIPHOPの四大要素についても改めて思いを巡らせてしまいます。

あくまでHIPHOPというのはカルチャーで、ラップはその一要素に過ぎないのだということを再確認することができますね。ちなみにその四つに“知識”を加えたものを五大要素、更に“ビートボックス”“言語”“ファッション”“起業精神”を加えたものを九大要素というようです。九大要素についてはKRS-Oneが提唱したものらしいですね。私もそれについては知りませんでした。

本ブログ“HIPHOPの必須トーク”は、ブログ名に“HIPHOP”の冠を掲げているにも関わらず、扱っている内容のほとんどが、その一要素でしかないラップについてばかりだということを、実は少しだけ気にしていました。また、ブログのことを抜きにしても私自身、他の要素についてもっと知りたいという思いは常々もっていましたが、なかなかその世界を広げていくキッカケを見いだせないという現状に、焦りにも似た感情を抱いていました。

しかし、今回この曲を改めて聴いていて、少しだけ自身の考えを改めることができました。なにも無理に世界を広げようとしなくても、自分が一番興味のある要素(私でいえばラップ)に関わっていくうちに、自然と他の要素にも触れられる機会はいくらでもあるのです。それでいいではないか、と。

最近、“MCバトルばかり見て音源を聴かない奴はニワカだ”なんて声をよく耳にします。しかし、私はそれでも全然構わないのではないかと思っています。そもそも、MCバトルも音源も、HIPHOPの中では単なる一要素に過ぎないのです。音源を聴いたくらいではHIPHOPすべてに精通することにはなりませんし、精通する必要性があるとも私は思いません。広く深く知っている方がより楽しめるのは事実ですが、それは強要されるべきことではなく、あくまで自分の興味の赴くままに広げていくべきものだと私は思っています。

自分が一番興味のあるのがMCバトルだとしたら、そこからいくらでも世界は広げられます。フリースタイルバトルという形式が好きなのだとしたら、ブレイクダンスDJバトルへと興味を広げられるかもしれません。MCバトル会場のライブで見たダンスDJプレイに惹かれ、それが新たな世界の入口になるかもしれません。“高校生ラップ選手権”のタイトルアートもそうですし、アルバムのジャケットなど、シーンに溢れるグラフィティの要素に、強く興味を惹かれていくかもしれません。そして、もちろんですが、ずっとMCバトルだけを深く深く掘っていくという楽しみ方もあるのです。

HIPHOPはいろいろな要素があり、それらが多岐にわたり組み合わさっている。私はこの曲を聴いて、そしてHIPHHOP要素が詰まったこのMVを見ていて、改めてそのことについて思いを巡らせることができました。

toprock 

これからも自分の興味が赴くままに、HIPHOPという文化を堪能し楽しんでいきたいと思います。そして、今後さらにHIPHOPの文化が広く活性化していくことを切に願っています。一人でも多くの人にこの文化の面白さが伝わってくれたら嬉しいですよね。

では、今回はこのへんで。


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4 Comments

通りすがり  

KOHEIJAPANソロでいえばHungry Strutも好きです

2016/06/15 (Wed) 21:59 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: タイトルなし

> KOHEIJAPANソロでいえばHungry Strutも好きです

コメントありがとうございます。ソロ初アルバム【The Adventures of KOHEI JAPAN】に収録されている曲ですね!私も大好きです^^そして私も「舌が超肥えてる」わけではありませんが、「いい音に飢えて」います!

コメントをいただいて久しぶりに聴き返してしまいました。キッカケをくださりありがとうございます。

2016/06/18 (Sat) 09:54 | EDIT | REPLY |   

ハヘロロ  

アンビータブル

初めまして!
僕は日本語ラップバカで特にライムスター、mellow yellowは
ずっと聴いてきたのですが、
先日、宇多丸師匠のタマフルでK.I.Nさん特集のときに
最後に流れたメローイエローの未発表曲『anbeatable』(綴りは合ってるか分かりません)
は聴かれましたか?
この曲マジでやばいです。
僕の中では未発表にしてクラシック化してしまいました。
早く活動再開してフルで聴きたいです(>_<)

2016/07/19 (Tue) 20:50 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: アンビータブル

> 初めまして!
> 僕は日本語ラップバカで特にライムスター、mellow yellowは
> ずっと聴いてきたのですが、
> 先日、宇多丸師匠のタマフルでK.I.Nさん特集のときに
> 最後に流れたメローイエローの未発表曲『anbeatable』(綴りは合ってるか分かりません)
> は聴かれましたか?
> この曲マジでやばいです。
> 僕の中では未発表にしてクラシック化してしまいました。
> 早く活動再開してフルで聴きたいです(>_<)

ハヘロロさん
コメントありがとうございます!
タマフルもちろん聴きましたよ!アンビータブル良かったですよね!
未発表なのがもったいないですよね。私も活動再開を望むファンのひとりです^^
今こそ、メローイエローのような古き良き時代のヒップホップユニットの新曲が聴きたい。
改めてそんな風に思いました!
活動再開はいつになるかわかりませんが、ラジオの中でKINが「解散はしていない」と言っていたので
期待を胸にいつまでも待っていましょう^^

2016/07/24 (Sun) 01:00 | EDIT | REPLY |   

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