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日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

名勝負の継承文⑪(TKda黒ぶち vs 輪入道 THE罵倒2012)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、久しぶりに好きなバトルの書き起こしをしてみました。空前のバトルブームにより、バトルリリックや字幕付き動画が溢れ返っている昨今、この【名勝負の継承文】シリーズももはや需要はなくなってしまいましたが、好きなバトルを改めて堪能するという個人的用途で、これからもマイペースに書いていけたらと思います。

毎度のことですが、明らかに言い間違いをしていると思ったところは、MCの意図を汲んで本来言いたかったであろう言葉に一部書き換えています。もしそれ以外で私の聴き間違いや解釈違い、誤記等がありましたら、コメント等でご指摘を頂けると幸いです。よろしくお願いします。

【TKda黒ぶち vs 輪入道@THE罵倒2012】


Tkvs輪入道

【輪入道】
ガッツリ聴いとけよ 16小節
DJ NOBU a.k.a.BOMBRUSH
I'm 輪入道 represent 44 043
コードナンバー千葉
火花飛ばすのみさ
トリガーに指が掛かってるのに
引けねえ奴はただの愚か者さ
言葉の刃が突き立てられたこめかみから
流れたその血を啜って俺はデカくなった
ラッパーになったのは17
あれは春休みのことさ
今から5年前 2007
yo 覚えてるだろREPRESENT MC BATTLEの
決勝で当たったのがお前だよTK
見えてるものがデカすぎてムカついたぜ
頷かすことの難しさも気づいたぜ
グダグダのLIVEも繰り返してここまで来た
悪いが今夜も俺が・・・


【TKda黒ぶち】
Represent 埼玉春日部シティ
TKda黒ぶち on the microphone
初めて握ったのは15の夜
あん時から変わってねえ情熱
燃えたぎってるぜ俺も魂
忘れちゃいないお前との出会い
千葉BELTあのREPRESENTのMC BATTLE
始まる前セブンイレブンの前でした握手
そして決勝でぶつかった
あん時はまだ俺も甘かったと思う
だから改めて紹介 俺がTKda黒ぶちだ
はじめまして弾けるぜ言葉が
俺だって絶対お前に負けねえ
トリガーを引く準備ならできてる
でもそれは中指じゃねえ!
俺はちゃんとそこに人差し指をプラスする
でもそれはよ?
リスペクトを持った上でぶっ殺すってことだぜ
わかるだろ?
お前と当たるなんて余裕で想像済みだぜ!
だけど何も考えちゃいねえ!
今はお前の目を見て直感で喋ってるだけだ
この野郎!


【輪入道】
俺だって直感で喋るだけだぜ
感で勘違いしてる野郎の頭を
叩き割ってデカくなったぜ
わかってるかわかってねえかなんて
その瞬間相手の目を見ればわかることだぜ
二本指それは一番 俺もピースにしたいぜ
だけど俺は全部引っ込めて親指を立てるぜ
グッドサインだけでグッドラック飛ばすぜ
壊してやる全てのくだらねぇカルマ!
張るか張られるかしかねえこんな人生
だけど負ける気なんてハナからねえ人生不安定
クランケにされる必要なんてねえから
秩序もないような世の中の中から今日も実情
喋り続けるTOKYO STREET UNDERGROUND
夜中になってもクソ汚え歌舞伎町の
裏側で喧嘩してる奴の分も
背中に背負っちゃう?いや背負わねえ
今日は遊ぶぜ!


【TKda黒ぶち】
遊ぶなよ!マジでガチでぶつかり合おうぜ
お前の笑顔
バトル中じゃ絶対見たくねえ Fuck yo!
俺も拳ぶん殴られたって
食らわすクロスカウンター
俺だってちゃんと守りたいものがあるんだ!
お前はどこをレペゼン?ストリートなのか?
俺は明日も7時から仕事なんだ
俺はそうやって働きながら
ラップしてる奴もレペゼンしてる yo
埼玉罵倒予選一回戦から
一回も手を抜いてねえラップだ聴いとけ!
yo スペルならばTとK
1、2回戦の話は正直幻滅したが関係なく
yo 俺も頭がよくわかんねえ状況になってる
でも空っぽじゃねえってことは確か
ここまで来たら余計なことは無しだ
ただ単に本能で喋り狂うだけさ
だけどお前の目は確実に冷静さを捉えてる
冷静と情熱の間 狭間 アンサー
そんなのは関係ねえ 弾けるだけだ!


【輪入道】
弾けるだけか?弾けちまうだけか?
それじゃダメなんじゃねえのか?
おい!あん時17の俺!
ただくだらねえ俺
言われたあんたとそれじゃ何も変わらねえ
違えんだよな 見てるものがな
ジレンマなんだよな 上に行きたくてさ
下らねえんだよな 何もかもがさ
仕事も女もストリートもさ
だけど悪いことをしながらでも
夜の街好奇心だけで飛び込んで行ったとしても
そこに見えるもの stay true
いつでも誰かに捨て犬のように見られても
ベロを回すことをやめられなかった

駆け出しの頃から今でも変わらねえ
UNDERGROUND
あるぜ負けん気
この場アレンジすることなく
TKda黒ぶち 叩き割る火炎瓶!


【TKda黒ぶち】
いや まさにそう弾けるだけじゃねえ
俺も今それを学んだぜこの短時間で
「わかるぜ、俺もその気持ち」って訳じゃねえ
俺は冷静になんて見えねえんだ
起きる出来事全てに
意味があると思ってるからマイクを握ってる
それをただ単に代弁してくだけさ
経験その他もろもろα
それにあるかわからねえ
でも遥か彼方遠く見えるぜいろんな希望
イマジンそこを大切にしてくる

ここにお前に勝つって
映像が頭にちゃんと浮かんでるか
わからねえけど
マイクロフォン握って飛ばしてくだけさ
おっとこれはマジで負けられねえ
ギリギリのところ
だけどちゃんと深めてく懐
お前には負けねえそれしか言えねえだけど
このバイブスと言葉で弾けるだけのラップ
別にいいじゃねえかそれでも yo
俺が決勝お前とこんなバトルがしたかったぜ
yo 間違いねえぞ?


勝者:TKda黒ぶち


2012年のバトルですが、未だにバトルヘッズの中では生涯ベストバウトに上げる人もいるくらい人気の高いバトルです。あの無類のバトル好きとして知られるMC正社員さんも、好きなバトルのひとつとして以前このバトルを挙げていました。また、このブログにおいても、このバトルについて書き起こして欲しいというリクエストを以前からコメントでいただいておりました。

元々どちらかというと、関東の熱い試合より、関西の遊び心あるバトルを好んで見返してしまう私なのですが、この試合に関しては、その感動的な対話の内容バトルとしての完成度の高さから、これまで何度も見返しています。ただ熱いだけでなく、端々に光る二人のテクニックにも感嘆してしまいますよね。

こうして改めてバトルを見返してみると、この試合は、“情熱”“ラップスキル”“対話力”を高次元であわせ持つこの二人だからこそ、そして、これまでの“歴史”“相手へのリスペクト”を互いに持ち合わせたこの二人だからこそ、実現できた試合だということを再確認できます。そんな二人でなければ、16小節×3本という長丁場のバトルにおいて、これほど濃密なバトルはできないと思います。

そして、そんな16小節×3本という一人の持ち時間の長いバトルだからこそ、相手の放った言葉に対して全てアンサーを返すという見応えのある二人のやりとりを堪能できます。バトルで主題となっている対話の“幹”は、5年前の出会いから今にかけての話ですが、その話から伸ばした“枝葉”の部分(例えば、トリガー、ハンドサインのくだり等)にも、お互いすべてアンサーを返そうとしている姿勢がうかがえます。それゆえにただ熱いだけの一辺倒ではない面白い試合になっていますよね。

そして、バトルの終盤戦においては、それぞれの信念をお互いにさらけ出し合う戦いへと発展していきます。今回赤字にした部分は、私が最も二人の生きざまを感じとることができたバースです。それぞれ生き方は違えど、この瞬間、同じ舞台、同じ「勝ちたい」という思いで、マイクを握って互いに向かい合っているのです。そして、その二人から発せられる言葉たちに、観ている私たちは強く心を打たれるのです。MCバトルが見せる筋書きのないドラマの面白さを改めて感じさせてくれる、そんな後世に語り継ぎべき名勝負だと思います。

さて、久しぶりにこのシリーズをやってみましたが、やはり好きなバトルについて書くのはとても楽しい作業です。冒頭でも書いたように、これからも気が向いたときに個人的目的として書かせてもらいたいなと思います。

では、今回はこのへんで。

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6 Comments

IDECCHI7  

こんばんわ。

∀・)これは名バトル中の名バトルですね。久しぶりにBlogを拝見しましたが、このバトルを記事に取り上げられたのはなかなか素敵だと思います♪ボクにとってもきっと生涯記憶に残るバトルになると思いますね。お互いに熱いんですよね。そしてハイレベルなんですよね。この時のこの2人じゃなきゃできないバトルだと思います。こうしてMCバトルはドラマにもなるんだ…。

2016/07/10 (Sun) 00:48 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: こんばんわ。

> ∀・)これは名バトル中の名バトルですね。久しぶりにBlogを拝見しましたが、このバトルを記事に取り上げられたのはなかなか素敵だと思います♪ボクにとってもきっと生涯記憶に残るバトルになると思いますね。お互いに熱いんですよね。そしてハイレベルなんですよね。この時のこの2人じゃなきゃできないバトルだと思います。こうしてMCバトルはドラマにもなるんだ…。

IDECCHI7さん
またコメントいただきありがとうございます。このバトルいいですよね^^
そして、小説を書かれてるIDECCHI7さんがMCバトルにドラマを感じるとおっしゃられたのはなんだか嬉しいです。
やはり良いバトルには熱い二人の物語を感じますよね^^
これからも、そんなドラマが見られる名勝負がたくさん生まれることを楽しみにしています!
コメントいただき、そしてTwitterでもご紹介いただき、ありがとうございました^^

2016/07/10 (Sun) 09:55 | EDIT | REPLY |   

-  

初めまして

改めて文章で見ても、本当に素晴らしい対話ですね・・・
初めてこもバトルを見たときは鳥肌が止まらず、しばらくこのバトルの事しか考えられないくらいの衝撃を受けました。

輪入道は本当に名勝負を作り出すのがうまいですよね。
相手の心にまで火を付けて、ベストパフォーマンスを引き出してしまう熱さ、
そしてその上で自身の全力でそれを量がしてやる、という姿勢が本当いかっこいい。
この試合も、先行で輪入道があのような仕掛け方をしたからこそ、TKの心に火が付いたように思います。

近々ではフリースタイルダンジョンにおけるMC漢戦は、本当に血がたぎりました。
番組上でも般若、焚巻戦に並ぶ屈指の名勝負だったと思います。
闘牙むき出しで向かってくる輪入道に対し、微塵もたじろがないMC漢の佇まい
含めて最高でした。

もしよろしければ、あのバトルの継承分も見てみたいです!

2016/07/15 (Fri) 11:29 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: 初めまして

> 改めて文章で見ても、本当に素晴らしい対話ですね・・・
> 初めてこもバトルを見たときは鳥肌が止まらず、しばらくこのバトルの事しか考えられないくらいの衝撃を受けました。
>
> 輪入道は本当に名勝負を作り出すのがうまいですよね。
> 相手の心にまで火を付けて、ベストパフォーマンスを引き出してしまう熱さ、
> そしてその上で自身の全力でそれを量がしてやる、という姿勢が本当いかっこいい。
> この試合も、先行で輪入道があのような仕掛け方をしたからこそ、TKの心に火が付いたように思います。
>
> 近々ではフリースタイルダンジョンにおけるMC漢戦は、本当に血がたぎりました。
> 番組上でも般若、焚巻戦に並ぶ屈指の名勝負だったと思います。
> 闘牙むき出しで向かってくる輪入道に対し、微塵もたじろがないMC漢の佇まい
> 含めて最高でした。
>
> もしよろしければ、あのバトルの継承分も見てみたいです!


コメントありがとうございます!!!
このバトルがこれほど好きな方に読んでいただけて、とても光栄です^^

確かに、実力者とぶつかったときほど輪入道は真の実力を発揮しますよね。
そして、それが相手にも火をつけ、ベストパフォーマンスを引きだす。まさにおっしゃるとおりだと思います!

フリースタイルダンジョンの漢戦も熱かったですよね!
コメントをいただくまで、フリースタイルダンジョンの試合をこのシリーズで書くというアイデアはありませんでした。
ただ、書かせていただこうかと思い、改めてその試合を見返してみたのですが・・・
コンプラ部分があるので、完璧なリリック書き起こしができないということに気づきました。。。

容易に想像できるところも多いのですが、
輪入道の2本目のコンプラ連発の箇所(おそらく危ない薬物ワード連発)が全く書けないので、断念いたしました。
申訳ございません。。。そこがわかれば、ぜひ書かせていただきたかったのですが。。

でも、あの試合が名勝負なのは間違いありません。
久しぶりに見返すきっかけをくださりありがとうございました^^

2016/07/18 (Mon) 10:43 | EDIT | REPLY |   

-  

感で➡カンペ
では?

2017/05/25 (Thu) 17:04 | EDIT | REPLY |   

Pto6(ぴーとろっく)  

Re: タイトルなし

> 感で➡カンペ
> では?


コメントありがとうございます。
なるほど!即興に対するカンペ(ネタ仕込み)という対比っていうことですね。意味としては凄く納得感ありますね^^
ただ、“カンペ勘違いしてる野郎”という少し強引な表現(文章)は少し輪入道らしくないなぁと個人的には感じました^^;
なので、すみませんがこの部分はそのままにさせてください。ただ、ここの“感で”というのも、私自身、違和感を感じておりましたので、ほかのご指摘等もあれば再度書き直しを検討させていただこうと思っています。ご理解いただけると幸いです^^
このたびは、ご指摘ありがとうございました。

2017/05/28 (Sun) 15:19 | EDIT | REPLY |   

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