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新作音源に小さく貢献⑮(輪廻 by RIN a.k.a 貫井りらん)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、本日発売されたRIN a.k.a 貫井りらんの1stアルバム【輪廻】について書きたいと思います。役者であり、ラッパーでもあるという異色の経歴をもつ彼女ですが、今回の作品はそんな彼女ならではの高い表現力が引き出された素晴らしい作品でした。

シーンを盛り上げる話題のイベント“胎動”が創立したレーベル、“胎動LABEL”の第一弾作品として発売された今作でしたが、このアルバムを聴き終えた今、今後このレーベルから出てくる作品達への期待値も高まる一方です。

それでは、アルバム内容について、あくまで一日聴き込んだ時点でのものにはなりますが、私なりの感想を書いていきたいと思います。それでは、いってみましょう。

【輪廻 by RIN a.k.a 貫井りらん】
RIN 

<収録曲>
  1. Rosario feat KEN THE 390
  2. とおりゃんせ
  3. 陽炎 feat. 輪入道
  4. 踊 feat. 黄猿, 磯友
  5. just another ~acoustic ver.~
  6. 同じ月 feat. Meiso
  7. Boku No Ohanashi
  8. Boku No Outa ~acoustic ver.~
  9. music feat. 空也MC
  10. 笑ってたい

私がRINというアーティストを知ったのは半年前でした。以前このブログでご紹介した覆面ラッパー軍団ILLDEFRESHの楽曲で、私は初めて彼女のラップに出会いました。個性豊かなMCが揃った聴き応えあるマイクリレー曲の中で彼女は絶妙なアクセントになっており、私はとても興味を惹かれてしまいました。それ以来、すっかり彼女のファンになった私ですが、こうして彼女のデビューアルバムを聴き終えた後に思うことは、あのとき彼女の音楽に出会えて本当によかったなということです。


そんなRINファン歴も短く、彼女の真骨頂と言われるLIVEパフォーマンスも未だ拝見していない私なのですが、本作はそんな私が聴いても彼女の魅力を十分に味わうことのできる、名刺代わりにうってつけのデビューアルバムなのではないかと感じました。

先日【らっぷの時間】に出演した際に、2年前にラップを始めたばかりだと語っていたRIN。しかし、小学生の頃から日本語ラップが好きだったと語っているだけあり、彼女のラップからは、数年やそこらでは決して築けないほどのしっかりとした“日本語ラップの下地”を感じることができます。そして、なにより表現者としての迸る才覚も。

また、彼女のHIPHOPにハマったキッカケがUMB2006FORKで、それ以来ICEBAHNのファンという点も、個人的にはとてもシンパシーを感じて、より彼女のことが身近に感じられました。(そんな憧れのICEBAHNとは、先日ついに念願の共演を果たすことができたそうです。おめでとうございます!)


さて、そんな彼女の魅力が濃縮された珠玉の10曲で構成された本アルバム。先述の【らっぷの時間】のインタビューでも彼女自身が言っていましたが、アルバム通して聴くのはもちろんのこと、一曲一曲が自立した輝きを放っている為に、単曲聴きしてもその魅力が味わえる、シングルコレクションのような聴き応えを具えた作品だと感じました。

では、ここからはそんな中から、特に私が気になった曲をピックアップしながら、感想を書かせていただこうと思います。

■同じ月 feat.Meiso 


“残るのはただの人間そのもの”

抑制された導入から、徐々に昂ぶる感情を乗せていくRINのラップに思わず惹き込まれてしまう楽曲です。役者経験から培ったのであろうそんな彼女の表現力は、声色の変化ひとつで様々な感情を私たちに訴えかけてきます。

また、彼女の曲全てに共通することではありますが、全編通してしっかりとしたライミングが施されているという点にも私は惹かれました。彼女楽曲は、あくまで表現力や楽曲のメッセージを崩さない程度ではあるものの、抑えどころに確実に韻を落とし、ジャンルレスな音楽性を具えながら、あくまで日本語ラップとして楽しめる作品になっているように感じました。生粋の日本語ラップ好き、特に大好きだと語っていたICE BAHNからの影響も感じますよね。

そして、なによりこの曲における特筆点は、客演Meisoとの抜群の相性の良さです。独自の世界観を持つこの二人の共鳴により、立体的に広がる広大な楽曲世界を描いています。低音のMeisoと高音のRINの声も絶妙にマッチしており、Cメロでの二人のユニゾンは本当に鳥肌ものです。

Boku No Ohanashi 


“花びらの数だけボクらの涙”

役に入り込み演じるのは、役者である彼女の得意とするところなのかもしれません。しかし、この楽曲とそれに続く楽曲【Boku No Outa】の2曲で、彼女はついに犬にまで入り込み楽曲を歌い上げているのです。犬が大好きだという彼女ですが、それにしてもなかなか挑戦的な楽曲ですよね。

この楽曲は小説における叙述トリックのような構成で作られています。冒頭では“BOKU”の正体が明かされないため、聴く人は当たり前のように少年のストーリーだと思い聴いていくのですが、楽曲の終盤で実はこの主人公が犬だということに気づきます。このリリックビデオも、そのミスリードを上手く誘導するつくりになっていて、私はすっかり騙されてしまいました。思わず聴き終わった後、すぐに聴き返したくなってしまう楽曲だと思います。

そして、この楽曲でも、彼女の表現豊かなラップが冴えわたってますよね。時に跳ねて、伸びて、裏返る。そのラップにおける表現の幅は広く、それでいて尚更なる伸びしろを感じさせてくれます。犬を巡る一連の物語を最後まで飽きさせずに聴かせてくれる、彼女のストーリーテリング能力も、舞台等での経験から自然と身についたものなのかもしれませんね。今後も、このようなストーリー性のある楽曲をつくってくれることを楽しみにしたいと思います。

陽炎 feat. 輪入道


“本音隠す白粉もとっぱらわれ浮彫”

この作品の特徴のひとつとして、その客演の豪華さもあげられます。上記でご紹介したMeisoだけでなく、KEN THE 390黄猿磯友空也MC、そして輪入道。新人ラッパーのデビュー作に、これだけ豪華な面子がそろえられたというのも、胎動LABELと、そして何より、彼女の魅力があってこそなせたことなのではないでしょうか。

そして、それら楽曲を聴いていただければわかる通り、そんな実力も個性も備えた豪華客演陣に決して喰われていないRINの存在感にも改めて驚いてしまいます。それどころか、私が彼女のラップに出会ったマイクリレー曲と同様に、多種多様なMC達の中に混じると、彼女の強い個性と魅力がより明確に浮かび上がるようにさえ思います。

この楽曲でも、圧倒的存在感を放つ輪入道と堂々と肩を並べ、力強い相乗効果を生み出しています。そして、和の心と哀愁が漂うメロディアスなフックにも心が掴まれてしまいますよね。これまで様々なアーティストに楽曲を提供してきたYuto.com™によるトラックも、幻想的な空気感が音でよく表現されており、陽炎のゆらめきが目の前に浮かんでくるようです。

もちろん、他のアーティスト達との共演曲も聴き応えがあるものばかりです。是非アルバムを通して、全曲聴いてみて欲しいと思います。

さて、今回は本日発売された期待の新人ラッパーRIN a.k.a 貫井りらんのデビューアルバム【輪廻】をご紹介いたしました。フラゲして以来、これまで何回も聴き返していますが、聴くたびどんどんと良さが沁み込んでくるアルバムです。上記の感想は、あくまで“一日聴き込んだ時点”で書かせていただいた感想なので、きっとこれから更に聴き込んでいくうちに、もっともっと感想がでてくることでしょう。私は今からそれが楽しみでなりません。興味のもたれた方は是非とも、彼女の作品を聴いてみてください。

では、今回はこのへんで。







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