新作音源に小さく貢献㉓(INDIGO by SALU)

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どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、先日発売されたSALUの4thアルバム【INDIGO】について書きたいと思います。ポップでメロディアスでダンサブル。それでいて、聴き応えと奥深さをも兼ね備えた本作は、音楽好き達を虜にする魅力を余すことなく具えた作品と言えるのではないでしょうか。是非とも多くの人に聴いていただきたい作品です。

それでは、本作を聴いて私が感じたこと等について書かせていただきたいと思います。

【INDIGO by SALU】
indigo 

<収録曲>
1, WALK THIS WAY
2, LIFE STYLE feat. 漢 a.k.a. GAMI, D.O
3, TOKYO
4, SPACE
5, Dear My Friend
6, First Dates
7, Good Bye
8, 2045
9, 夜に失くす feat. ゆるふわギャング (Ryugo Ishida, Sophiee)
10, Butterfly
11, 東京ローラーコースター feat. FRAME a.k.a FAKE ID for Refugeecamp(Bonus Track)
12, YEDI(iTunes Bonus Track)



カラフルなアルバムに出会うたび、私はいつも色鉛筆セットを思い浮かべてしまいます。12色、20色、36色・・・ものにより色数や組み合わせが異なるそのセットと同じように、音楽アルバムも、その色の組み合わせやバランス、もしくはコンセプトを持たせた統一感や色の偏りにより、その個性と魅力を私たちに提示してくれます。

そういう意味で、本作における(ボーナストラックも含めた)12色は、全体的には明るくポップな色彩を帯びながらも、そこで歌われる対象やテーマのバリエーションの豊富さにより、統一感のある同系色ながらも深みのあるグラデーションを描くという絶妙なバランスを具えた魅力的なセットになっています。私は初めて本作を聴き終えた時、幼少期にも見つけられなかった“究極の12色セット”を見つけられたような、そんな不思議な幸福感に包まれてしまいました。

今作同様、SALU自身がトータルプロデュースを務めた前作【Good Morning】も、そういう意味ではとてもカラフルな作品でした。POP界の大物アーティストや有名プロデューサーが彩る王道的な12色がバランスよく配置された作品。メジャーアーティストとしてSALUがどのような音楽をやりたいのか、そのビジョンと信念を感じさせてくれるような一枚でした。それを経て作られた本作【INDIGO】は、前作で培った普遍性を纏ったポップさ、キャッチーさを更に前進させ、全ての音楽リスナーを歓迎するかのような広い入口と、入ったら長らく居座らせてしまう居心地の良さ、そして、何度でも足を運び探求したくなるほどの奥行きの深さを兼ね備えているように思います。

これまでのSALUのアルバム達も、どれも一定以上の聴き応えと、その時々のチャレンジ精神を感じさせる意欲的で高水準の作品ばかりでしたが、私にとっては本作ほど一気に心を掴まれたアルバムはありませんでした。個人的な感想を言わせていただけるのであれば、間違いなく、このアルバムが私にとってSALU史上最も好きなアルバムになりました。これは存命のどのアーティストについても言えることですが、自分の中でそのアーティストの最高傑作がどんどんと更新されていく喜びは、何度味わっても嬉しいものですよね。

アルバムは、本作品を象徴するかのような楽曲【WALK THIS WAY】から始まります。私はアルバム発売に先駆け公開されていたこの楽曲のMVを、アルバムを手に入れるまでの間、何度繰り返し流していたでしょうか。耳馴染みの良いキャッチーさと、トレンドが自然に落とし込まれたフレッシュ感。まさにこのアルバム全体を総括するような、もっと言えば、SALUというアーティストのスタンスを映し出したかのような、そんな素晴らしい楽曲に仕上がっています。

【WALK THIS WAY】


その後2曲目は、漢 a.k.a. GAMID.Oという、SALUのイメージからすると意外性のある二人の客演を招いた楽曲【LIFE STYLE】です。「全員声に超特徴がある。だから音楽的にも絶対面白いと思ってて。」とインタビューで本人も語っていたように、3者3様の個性が気持ち良く衝突し、これまでのSALU楽曲にはなかった魅力を放っています。至る所に過去曲からのリリックの引用が見られ、思わず聴いていてニヤニヤしてしまいます。フックを歌うSALUのダークな声も新鮮ですよね。

続く3曲目は【TOKYO】。前々作ぶりにBACHLOGIC(BL)がプロデュースした本楽曲は、“東京”というタイトルの通りアーバンな雰囲気を纏いつつ、外からではなく“中から描く東京”をテーマに描かれた楽曲です。この曲が醸し出す、夜の東京に漂う静かな高揚感は、次曲【SPACE】へと自然に引き継がれていきます。トレンディでダンサブルなビートとキャッチーでメロディアスなフックが耳をロックするこの楽曲は、アルバム前半部のハイライトを飾ることとなります。聴いていると自然と身体を揺らしてしまいますよね。

その後の【Dear My Friend】からは、前曲までの高揚感からは一転、アルバム中盤のメロウなパートへと入っていきます。Sho Kamijoのギターの音が心地よいほんわかとしたトラックなのですが、その上で歌われているリリックはちょっぴりシリアス。その塩梅が絶妙な哀愁ともの寂しさを表現しています。続く【First Dates】は、ホワイトデー1日限定シングルとして公開されていた楽曲です。そのタイトルの通り、デートについて歌われているのですが、SALU曰く「めちゃくちゃフレッシュな付き合いたてか、まだ付き合ってないくらいの感じの二人と、付き合いが長くて週末一緒に出かけるのは男の方がちょっとめんどくさいなっていう二人」を歌っているという少しひねった構成が、実にSALUらしいなと感じてしまいました。

次曲【Good Bye】は、海外挑戦をする友人に向けて歌われているという応援ソングです。90年代のJ-POPを意識して作ったと語られていたラップパートのない楽曲ですが、こういう風にジャンル関係なく、自分が良いと思う音楽をストレートに作っていくSALUの姿勢が私は本当に好きです。小さなしがらみに囚われず、ミュージシャンとして自分を表現するという本質に正面から向き合っているような気がしますよね。続く【2045】は、コンピュータが人間の知性を超えるといわれている臨界点“2045年”以降を想像して歌われている楽曲です。SF的なストーリーが秀逸で、それがぐいぐいと歌を牽引していきます。人類の敵となったコンピュータにも愛を滲ませている描写には、不覚にも胸をキュンとさせられてしまいました。

そして続く楽曲【夜に失くす】はアルバム後半における白眉です。今や日本ヒップホップシーンにおける時代の重要なアイコンとして、現在、多方面から熱視線を送られているホットなユニット、ゆるふわギャングを客演に迎えた本楽曲。MGMTの楽曲【Kids】からサンプリングした印象的なギターリフが鳴り響く近未来的なトラックの上で、SALU、Ryugo Ishida、Sophieeという個性的な3人が気持ちよく浮遊しています。中でも、ゆるふわギャングの二人は、この曲において本当に魅力的な輝きを放っていますよね。この二人にしか作り得ない独特のムードというものを、わかりやすく提示してくれた楽曲ではないかと思います。ちなみにSALUの歌詞に出てくる“希望の炎”は、やはりあの曲から受け取ったものらしいです。

【夜に失くす feat. ゆるふわギャング】


アルバム本編最後の曲は【Butterfly】です。前曲から引き継いだ夜の雰囲気とダンサブルな高揚感はそのままに、このアルバムでアーティストとして殻を破った自分自身を“蛹から出てきた蝶”に例えて歌った楽曲です。ボーナス曲を除くこの10曲までの流れは本当に秀逸で、上記に書いてきた通り、どの曲もそれぞれの魅力を持っていて、一切の捨て曲がありません。コンパクトな曲数ながらもこれほどまでにバラエティに富み、聴き応えを持たせつつも一気に気持ちよく聴き通せるアルバムというのは、そんなに多く出会えるものではありませんよね。

ちなみにボーナストラックには、都営大江戸線とのコラボが話題となった軽快で開放的な楽曲【東京ローラーコースター】と、前作から今作への橋渡し的な役を担ったとSALUにより語られていた英詩曲【YEDI】(iTunes限定)が収録されています。もちろん本編までの内容だけでも十二分な満足感を得ることができるわけですが、デザート感覚でこの2曲まで続けて聴くとプラスアルファの充足感を味わうことができます。少し味の違った楽曲を聴いて、再び本編のあの気持ちの良い世界に舞い戻る。そんな感じで、いつまでもリピート再生を止めることができなくなってしまいます。

【東京ローラーコースター】


【YEDI】


さて、今回は先日発売されたSALUの素晴らしいアルバム【INDIGO】について書かせていただきました。愛に染める=藍染=INDIGOという、実にSALUらしいタイトルが掲げられた本作品は、その名の通り、明るさと優しさに満ち溢れ、それでいてあくまで自然体かつ開放的な、今のSALUの前向きな姿勢をありありと映し出した、そんな素晴らしい作品になっています。是非とも1人でも多くの人に聴いていただきたい作品です。

では、今回はこのへんで。





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