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Pto6の備忘録⑧(好きなビート集 Part.1)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、前々からいつか書きたいと思っていたテーマ、好きなビートについての新シリーズを書き始めたいと思います。

本ブログではこれまで好きなライム集という備忘録シリーズを書いてきましたが、このビートについてもそのライムと同様、ひとつの記事では書ききれないほど好きなものがあり、またそれは日に日に増えている状況にあります。そのため、ビートについても、今回を『好きなビート集』Part.1とさせてもらい、これから定期的にこのシリーズを使って、少しずつ好きなビートについて書き残していきたいと思っています。


好きなビート集Part.1


ではさっそく、私が好きなビートについて書いていきたいと思います。ちなみに、ここでいうビートは[≒トラック]という広義の意味合いで使わせてもらっています。また、MCバトルで使われるバトルビートという観点で選んだものではなく、あくまで楽曲トラックとして選出させてもらっていますので、その点についても読む上でご留意いただければ幸いです。そのビートが鳴っただけで心が躍ってしまうような、ラップではなくビートにばかりついつい耳を向けてしまうような、そんな私が大好きなビート達についての感想や好きなポイントを書かせていただきたいと思います。


■Don't Sweat The Technique
 Eric B. & Rakim(Eric B.)


軽快なドラム。グルーヴィーなベース。煌びやかな上モノ。それらが絶妙なバランスで絡み合うこのトラックは、HIPHOPビートとして、私にとってのひとつの理想形を示してくれている存在です。それは私にとって、ふと見上げればいつも同じ位置で輝く北極星のようなもので、信頼を寄せる不動の定点であり、ランドマーク。もっと言えば、私にとってHIPHOPビート界における座標のひとつの軸とさえ言えるものかもしれません。とにかくこの曲のイントロが流れただけで、私は子供のように駆け出したくなるほどの衝動に駆られてしまいます。HIPHOPミュージックを聴く上でのイデアとしていつまでも神棚に祀っておきたい、私にとってはそれほどまでに魅了されてしまっているビートのひとつです。



■アースシェイカー 
 mellow yellow(KOHEY JAPAN)

徐々に昂りを増していく楽曲展開を含め、是非とも一曲を通して聴いていただきたいビートです。その名に偽りはなく、まさに地球を揺さぶるようなどでかいインパクトを身体全体で感じることができます。地を這うファンキーなベース、野性的でリズミカルな打楽器、疾走感溢れるギターカッティング、ソウルフルでどこか民族音楽を彷彿とさせる男性コーラス。リリック中でも歌われているとおり、まさに“大地と人が共鳴”しているビートだと思います。聴く者の身体を自然と躍らせてしまうそのパワーはまさに万国共通で、ワールドミュージックとしての高いポテンシャルをも内包しているビートと言えるのではないでしょうか。できるだけ良い音響で、できるだけ大きな音量で、思いっきり楽しみたいそんな楽曲です。



■F.I.L.O. feat. Shing02
 Nujabes


私はHIPHOPトラックでは、基本的にリズム隊(ドラム・ベース)が牽引する“ビート主体”のものを好きになる傾向が強いです。そういう意味では、上モノのギターの旋律が楽曲全体をぐいぐいと引っ張るこの楽曲は、数少ない例外的に好きなビートと言えるかもしれません。しかしながら、よくよく耳を澄ませ聴いてみると、あくまで主役の座はギターに譲りながらも、ドラムが節々でさりげないお膳立てをしてギターの音を際立たせているということに気づきます。その様はまるで、カリスマ性に富んだ将軍を半歩後ろで見守り的確にサポートする優れた軍師のようです。また、これは完全なる余談なのですが、私はこの楽曲【F.I.L.O.(first in last out)】を聴く度に、学生時代にかじったプログラミングの“スタック構造”のイメージが頭に浮かんできてしまいます(笑)



■Full Clip 
 Gang Starr(DJ Premier)


HIPHOPの基本ともいえるループの魅力を味わうことができるビート。その良質な音を使ったシンプルな構成は、それゆえに、何度繰り返し聴いても飽きがくることがありません。詰め込みすぎず、重ね過ぎず、音を究極までそぎ落としたこのシンプルなトラックからは、絶妙な間の取り方、空間を掌握した音配置の妙を味わうことができます。のっぺりとしながらも歯切れの良いギターストロークが抜群にカッコいいですよね。今回、私はこの記事を書いてみて、改めて自分が楽器音が映えるサンプリングビートが好きなんだなぁと再認識することができました。ちなみに、元ネタであるCal Tjader【Walk On By】と聴き比べると、その原曲とのギャップに、プリモのサンプリングスキル、トラック再構築の力量を痛感させられてしまいます。


■紫煙 feat. MAKI the MAGIC 
 漢 a.k.a. GAMI(MAKI the MAGIC)


サンプリングにおけるネタ使いの妙を味わうといえば、私は真っ先にこのビートが頭に浮かびます。拘りつくした良質な音のパーツ達が組み合わさり浮かび上がってくる美しいコラージュ・アート。故MAKI the MAGIC(キエルマキュウ)が作り上げたこの極上のトラックは、頭からお尻まで、端々の隙間を埋めるさりげない音のひとつにまで耳を澄ませ、味わい尽くしたいと聴き手に思わせてしまう、そんな魅惑的で艶やかなる色香を漂わせています。和をモチーフとしたその豪華絢爛なる音の世界からは、煌びやかな遊郭にて華やかに舞う美しい花魁の姿がイメージとして浮かびます。それでいて、主役であるラップをしっかりと引き立てているあたりからも、このビートにおけるイイ女感を感じとってしまいますよね。


ビート集1 

さて、今回は新シリーズ『好きなビート集』のPart.1を書かせていただきました。今回は“好き歴が長いビート”ばかりから選出させてもらいましたが、次回以降は比較的新しいものも織り交ぜていこうと考えています。『好きなライム集』と同様、思い出したり、新たなものに出会ったりするたびにメモをとり、定期的に記事にしていけたらと思っております。あくまで個人的な備忘目的の記事にはなりますが、もしご興味を持って下さる方がいらっしゃいましたら、次回も読んでいただければ幸いです。

では、今回はこのへんで。
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2 Comments

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ビート特集待っていました。
mellow yellowだったら、4 the FabulousのYOUKIDのバースのトラックがすごく好きです。

2017/06/04 (Sun) 21:45 | EDIT | REPLY |   

Pto6(ぴーとろっく)  

Re: タイトルなし

> ビート特集待っていました。
> mellow yellowだったら、4 the FabulousのYOUKIDのバースのトラックがすごく好きです。

コメントありがとうございます^^
長らく温めていたシリーズでしたので、そういっていただけると凄く嬉しいです^^
4 the Fabulous!!いいですね~!そう思うと【地球ウォーカー】は本当にビート的に凄まじい作品ですよね!!
改めてアルバムとしても聴き返してみたいと思います^^

2017/06/05 (Mon) 21:41 | EDIT | REPLY |   

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