Pto6(ぴーとろっく)

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どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、以前よりコメントにて複数の方からリクエストを頂いていたバトルについて書きたいと思います。そのバトルとはUMB2016で生まれた名バトル【ヤングたかじん(呂布カルマ) vs MOL53】です。コメントを頂いて以来何度も見返していますが、噛み合った対話に見応えがあるため、文字として読んでも楽しめるバトルなのではないかと思っています。

毎度のことですが、明らかに言い間違いをしていると思ったところは、MCの意図を汲んで本来言いたかったであろう言葉に一部書き換えています。それ以外の部分で、お気づきの点がございましたらご指摘いただければ幸いです。それではいってみましょう。

【ヤングたかじん vs MOL53】

ヤングたかじんvsMOL53 

【ヤングたかじん】
まぁザッと見渡してみたところで
俺の相手務まりそうなのはお前ぐらい
でも皆言うよな大麻の話題 仕方ない
もう明けたのかよ執行猶予は?
悪い事すんなとは言わねぇが
せめて上手くやろうぜ
ラップと一緒だよ
しみったれたツラしてんじゃねぇ
お前いつまで経ったってアングラ

【MOL53】
やっぱお前何回見てもヤバイ
とか言わせないし
クソダサいし説教臭い
お前の言葉聴いても
俺らは心ごと踊れない ah ha?
Beats & Rhyme わかる?
お前のメッセージしつこくない?
だって揚げ足ばっか取るだけ
それしか出来ねぇザコは消えとけ!

【ヤングたかじん】
一回言っても伝わんねぇから
何回も言うんだろ
お前も大概学ばねぇヤツ
いつまでも泥すすって
やってんのかHIPHOP?
バトルも大概来るとこまで来た
その先を見せねぇとしょうがねぇ
アングラ?大いに結構
それ勝手にやってろ
こっから先の世界にお前は必要無い

【MOL53】
そうですか そうですわね
俺はテレビに出ない!
お前テレビに出てチェケラ?
それ笑えなーい
アングラは語らせない!
これ汚させない!
いやいやいやホントなんすよ
四大要素をお前から感じねぇ!
なんだよその古着屋で買ってる安っぽい服
それでタレント気取ってる
笑わせんじゃねぇ!

【ヤングたかじん】
勘弁してくれよ
毛玉だらけのトレーナー
着てるヤツに言われたかないぜ
つま先からつむじまでなってねぇ
お前アングラ?勝手にやってろ!
俺も十何年もう飽きるくらい
やってきたよアングラ
本物のMCはラップする場所を選ばない
テレビだろうが武道館だろうが
どこでだってやってやるよ
お前は下水道でやってろ!

【MOL53】
あっそあっそあっそ
勝てるからな お前は
客に目線を下げて合わせてるだけ
“呂布カルマ~呂布カルマ~呂布カルマ~”
宗教みたいでmother fucker!
いやいやそうなんすよ?
オマエが目線を合わせてカルマを演じる
俺は自分自身 化の皮を剥がす
ヤングたかじん ここで終わる!

【ヤングたかじん】
しつけぇな!そうだよヤングたかじん
誰も“呂布カルマ”とか言ってねぇから
お前MOL53(燃えるゴミ)
いつまで経ったって燃え残ってる
俺が低温で骨からじっくり焼いてやる
灰にしてフッと飛ばしてやる
お前highになんの好きだろ?
現実逃避してろ 俺は現実を見てる
なんも手放さねぇ失くすもんもねぇ
全部掴むんだよ

【MOL53】
失くすもんがねぇのか?
俺は失くす物が多すぎて
大事にやり過ぎちゃったな
これは慎重に行くゲームじゃねぇんだ
綱渡りだ こっち見んなよ
あ? 小言がうるせぇな
こういう小言を使って俺に勝つ
そして前の試合でライムを考える
こっちに来いお前がこっちを向いてる
その時点でお前の負け確定してる

勝者:ヤングたかじん


R-指定の引退、9sariグループとの対立、その他MCバトル大会の台頭により、失速の兆しがみられていたUMB。その悪いムードを一夜にして断ち切り、UMBを再び夢の祭典へと押し上げるきっかけとなったのがUMB2016でした。とにかく大会としてのレベルが高く、地上波のバトルとも一線を画すアングラならではの息を飲むバトルが数多く繰り広げられました。

そのような素晴らしい大会において、ベストバウトに挙げる声も多いバトルのひとつが、この【ヤングたかじん vs MOL53】です。このバトルはまさに“ディベート”といえるほど白熱した意見のぶつかり合いが見られます。議論のメインテーマは「アングラ(underground)」です。両者にとって思い入れのあるテーマだからこそ、そこに対する細かい意見の差異が如実に浮き上がり、真正面から衝突しています。

ヤングたかじんは「アングラから先に進むこと」を、MOL53は「アングラのまま居続けること」を是とする立場をとっています。どちらの意見もラッパーの生き方としては間違っておらず、誰が文句を言えるものでもありません。口だけではなく、その自分の信念に基づき筋を通して生きているこの二人に対しては尚更でしょう。そんな甲乙つけがたい意見のぶつかり合いだからこそ、表現のひとつひとつに観客が沸き立つ、白熱したバトルになったのだと思います。

更にこのバトルにおいて見応えがあるのが、メインテーマに寄り添い一貫した議論を繰り広げている最中に、そこから派生したサブテーマの言い合いの方もしっかりと拾い合って応酬を重ねているところです。服装、テレビ出演、名前いじり・・・。それらの小気味よいやり取りがあるからこそ、8小節×4本ながらに内容の詰まった濃厚な印象を受けるのではないでしょうか。

前述のとおり、本来は勝敗の付けられないこのバトルですが、ここではヤングたかじんに軍配があがりました。そのことについて強いて勝因を挙げるとすれば、“このバトルが2016年に行われたから”という一言に尽きるのではないかと私は考えています。

フリースタイルダンジョンによるブームが更に巨大化し、シーン全体がそれによる大きな影響と、(賛否はあるにせよ)少なからざる恩恵を受けている中で開催されたUMB。その場にいた観客の中には、ブームによりバトルに魅了されこの場に駆け付けた人も少なからざるいたでしょう。更には、そうでない人達の中にもこのブームの先にあるもの、HIPHOPシーンの更なる盛り上がりに、期待を膨らませている人も多かったのではないかと想像します。

そのような空気が漂っていたからこそ、シーンや会場の空気と共鳴し、その上で自身の明確なスタンスを打ち立てたヤングたかじんの方に、声援が集まったのではないかと私は思っています。もちろん、それも含めてヤングたかじんの立派な実力なのですが。ちなみに、今回赤字にした部分は私がこのバトルにおいて最も唸ったパンチラインです。見事に会場も沸かせていましたね。

なにはともあれ、このバトルはMCバトルの醍醐味ともいえる“対話”を十二分に堪能できるバトルです。またこのバトルは、全く異なるラッパー同士より“似ているけど少し違う”ラッパーによるバトルの方が、見応えのあるバトルになるという新たな気づきも私に与えてくれました。お互いにリスペクトをしているからこそ、小さな考え方の違いが双方を熱くさせるんでしょうね。是非とも気になる方はDVDで映像でもチェックしてみてください。

気づけば今年も年の瀬が近づいてきました。UMB2017ファイナルもひと月後にまで迫っています。まだまだバトルブーム継続中の中、果たしてどんな大会となるのか、今年も楽しみですよね。

今回は自身の名前でエントリーした呂布カルマも、しっかりと愛知予選を勝ち抜き、既にファイナルへの切符を手に入れています。着実に役者が揃いつつあるUMB2017ファイナル。目が離せません。今年も数多くの名バトルが生まれることを期待しています。

それでは、今回はこのへんで。

[追記]コメントでご指摘いただいた部分を修正しました。ありがとうございました。

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最終更新日2017-11-28
Posted by

Comments 10

There are no comments yet.
-  

mol53氏の4バース目は
深層じゃなく慎重に行くゲームじゃねえ
だと思います!

2017/11/27 (Mon) 14:54 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: タイトルなし

> mol53氏の4バース目は
> 深層じゃなく慎重に行くゲームじゃねえ
> だと思います!

コメントありがとうございます!
確かに文脈的にもそうですね!この部分、実は自分としても違和感を感じていたのでご指摘いただきとてもすっきりしました^^
ありがとうございます!記事の方も修正させていただきます^^

2017/11/27 (Mon) 23:21 | EDIT | REPLY |   
かきぴー  

いつも素晴らしい記事ありがとうございます、楽しみに見ています!

mol53の最後のバースなのですが、
「ライブを考える」より「ライムを考える」の方が文脈に合うと思うのですがどうでしょうか…?

2017/11/28 (Tue) 00:39 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: タイトルなし

> いつも素晴らしい記事ありがとうございます、楽しみに見ています!
> mol53の最後のバースなのですが、
> 「ライブを考える」より「ライムを考える」の方が文脈に合うと思うのですがどうでしょうか…?

かきぴー様
コメントありがとうございます!
ご指摘の点も、私もどちらか迷ったところでした^^文脈的にはライムの方が合いますよね!
この点についても記事をそのように修正させていただきます!
ご指摘ありがとうございました^^

2017/11/28 (Tue) 07:07 | EDIT | REPLY |   
-  

いつも的確な解説でそれぞれのバトルがより深く見られてとても素晴らしい記事だと思っています。
自分の個人的見解ですが、「ディベートの勝敗」と言った意味では確かに今のシーンが関係していると思いますが「バトルの勝敗」についてはmol53の4バース目のわずかな失速が主だと自分はこのバトルを最初に見た時思いました。呂布の睨みや手招きなどの挑発にmolが4バース目で乗ってしまったため内容的アンサーをそのバースでほぼ返さないままバトルが終わってしまいました。自分の有利なテーマで戦ったことも4バース目の挑発も呂布のバトルでの強さがうまく働いたと思います。
この大会の決勝が「最も感動した試合」であるならばこの試合は「最も痺れた試合」だと自分は思っています。ぜひこの大会の決勝についても時間があれば記事にして欲しいです。
長文失礼しました。

2017/11/29 (Wed) 10:11 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: タイトルなし

> いつも的確な解説でそれぞれのバトルがより深く見られてとても素晴らしい記事だと思っています。
> 自分の個人的見解ですが、「ディベートの勝敗」と言った意味では確かに今のシーンが関係していると思いますが「バトルの勝敗」についてはmol53の4バース目のわずかな失速が主だと自分はこのバトルを最初に見た時思いました。呂布の睨みや手招きなどの挑発にmolが4バース目で乗ってしまったため内容的アンサーをそのバースでほぼ返さないままバトルが終わってしまいました。自分の有利なテーマで戦ったことも4バース目の挑発も呂布のバトルでの強さがうまく働いたと思います。


とても的確でしびれるコメントありがとうございます^^
バトルの勝敗について、私もおっしゃる通りだと思います。
ラストバースのMOL53の半ば勝負をあきらめたような失速具合は、勝敗にも大いに影響を与えたでしょうね^^
私的にはそれも含めて、歓声の大きさ等から、この現場では観客が自分より呂布カルマに付いていると、途中でMOL53自身が感じ取ってしまったことで失速につながったのかなと思いました。
どちらにせよ、おっしゃる通り呂布のバトルでの強さによるところですよね!

> この大会の決勝が「最も感動した試合」であるならばこの試合は「最も痺れた試合」だと自分は思っています。ぜひこの大会の決勝についても時間があれば記事にして欲しいです。
> 長文失礼しました。

リクエストありがとうございます。確かに決勝戦も感動的な試合でしたよね^^
ナイスミドルな二人による熱い友情と相互へのリスペクトをひしひしと感じることができました。
ただあのバトルこそ、映像で見てこそのバトルなのかなぁ・・なんて思いつつも、少し検討してみたいと思います^^
このたびは熱いコメント本当にありがとうございました。

2017/11/30 (Thu) 21:07 | EDIT | REPLY |   
IDECCHI51  
このバトルの継承文がきましたか(^^)

∀・)お久しぶりです。イデッチです。このバトルの継承文がきたということで、コメントしに参りました。すごく名勝負だと思いますね。こうして文字で見返すと尚更に。UMBはその先が憂慮されていましたが、確かにこの大会で持ち直した感がありましたね。広島代表のウジミツ君が旋風を巻き起こしたようで何よりでした(笑)さて、この試合。ヤングたかじん(呂布カルマ?)が今やTVにでて活動を展開しているのだと想うと、実に感慨深いバトルにもなりますね。ある意味でシーンを占うバトルになったのかも。個人的には「お前は下水道でやってろ!」がかなり好きなパンチですね。いつか小説の台詞で使いたいかもです(笑)もうちょっとでUMBも本戦かぁ……個人的には決勝でDotamaV.S.呂布カルマがみれたら熱いと思いますが、MCバトルの神様にそれは委ねようと思います(^^)

2017/12/01 (Fri) 01:22 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: このバトルの継承文がきましたか(^^)

> ∀・)お久しぶりです。イデッチです。このバトルの継承文がきたということで、コメントしに参りました。すごく名勝負だと思いますね。こうして文字で見返すと尚更に。UMBはその先が憂慮されていましたが、確かにこの大会で持ち直した感がありましたね。広島代表のウジミツ君が旋風を巻き起こしたようで何よりでした(笑)さて、この試合。ヤングたかじん(呂布カルマ?)が今やTVにでて活動を展開しているのだと想うと、実に感慨深いバトルにもなりますね。ある意味でシーンを占うバトルになったのかも。個人的には「お前は下水道でやってろ!」がかなり好きなパンチですね。いつか小説の台詞で使いたいかもです(笑)もうちょっとでUMBも本戦かぁ……個人的には決勝でDotamaV.S.呂布カルマがみれたら熱いと思いますが、MCバトルの神様にそれは委ねようと思います(^^)


IDECCHI51さん
いつもコメントありがとうございます^^

確かにおっしゃる通り、このころはまだ呂布カルマは新モンスターの打診を受ける前のはずですよね。それなのにそれを予知するかのようなバースを繰り出しているところが面白いですね。そしてMOL53はおそらく打診がないはずがないでしょうが、未だダンジョンに出場していない。つまり、どちらもこの時語っていたことを、未だしっかりと守り続けているということですよね^^

今年のUMBも呂布カルマ、DOTAMA等の常連のベテランから、初出場の若手までバランスが良くなりそうですよね!
UMB2017の広島代表THUG HEADSも活躍するといいですね^^

2017/12/03 (Sun) 08:20 | EDIT | REPLY |   
MC名無し  
文字起こし

お疲れ様です。
やはり、文字起こししてから見るmcバトルは一味違っていいですね(^。^)

UMB2016 チコVS早雲もお願いします。

2017/12/29 (Fri) 11:07 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: 文字起こし

> お疲れ様です。
> やはり、文字起こししてから見るmcバトルは一味違っていいですね(^。^)
>
> UMB2016 チコVS早雲もお願いします。

コメントありがとうございます。返信遅くなり申し訳ありません。
チコvs早雲ってことはUMB2015ですかね?あれもよいバトルでしたよね。
どちらも好きなMCなのですが、それぞれが自分の良さを出していたと思います^^
他にも書きたいバトルがいくつかありますので、書くかどうかは検討させてください。
ご理解いただければ幸いです^^

2018/01/21 (Sun) 09:20 | EDIT | REPLY |   

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