Pto6(ぴーとろっく)

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どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、今年最初に購入した作品について書いていきたいと思います。仙台が、そして日本が、世界に誇るヒップホップグループGAGLEの、4年ぶりとなる6枚目のアルバム【BANTA BLACK】です。

グループ結成20年超にして未だ挑戦を続けている彼らが、4年の月日をかけ自分たちの新境地を切り拓いた意欲的作品。この作品によって私は、今年もとても良い音楽ライフのスタートが切れました。さっそくこの作品について抱いた感想を書いていきたいと思います。

【Vanta Black by GAGLE】
vanta black 

<収録曲>
  1. Vanta Black
  2. Grand Gainers
  3. 適者生存
  4. Bohemian Style
  5. 和背負い feat. KGE THE SHADOWMEN & 鎮座DOPENESS
  6. 小こい円盤 feat. 菅原信介
  7. うつろぎ
  8. Black Rose
  9. ?!!Chaos!!?
  10. 日日Living feat. Mitsuyoshi Nabekawa [ATATA]
  11. Flow
  12. Always



ベテランと新人アーティストの作品には双方それぞれの良さがあると思います。前者には経験からくる余裕と遊び心、確立されたオリジナリティ、これまでのキャリアで培った風格や安定感などが。後者には、思い切りのよい勢いや斬新なフレッシュさ、熱いパッション、革新性などがあります。

私はそのどちらも好きで、そのときの気分によって両方の作品を楽しく聴き分けています。しかし今回GAGLEが作り上げたアルバムは、ベテランの彼らだからこそだせる“深み”と、新人さながらに新境地を切り拓く“アグレッシブさ”という、両方の良さを兼ねそろえた良いとこ取りの作品に仕上がっているのです。

キャリア20年以上のベテラングループであるにも関わらず、それだけ意欲的に自分たちの殻を破ろうと挑戦し続ける姿勢には本当に頭が下がりますよね。アーティストに限らず、人間としてもいつまでもそうありたいものです。

一昨年初のソロアルバムをリリースしたMC HUNGERと、その実兄で世界的トラックメイカーのDJ MITSU THE BEATS、ライブDJとスクラッチを担うDJ Mu-Rの1MC2DJで構成されるGAGLE。DJ MITSUの活躍もあり今や世界から注目されるグループとなった彼らですが、そんな自分たちのポジションに一切甘んじることなく、常に更なる高みへと向け、自分たちの新しい表現の形を模索し続けている印象を受けます。

都会的で洗練されたクールなビートと、人の温もりを感じさせる熱を帯びたラップ。そんな正反対な特性を持った二つが組み合わさる本アルバムの音楽は、これまでの作品以上に強く聴く人の心を惹きつけるように思います。そんなことを感じながら聴いていると、昔耳にしたことのある「暖流と寒流がぶつかる“潮目”にはたくさんの魚が集まってくる」という話をふと思い出してしまいました。もしかしたら相反するエネルギーがぶつかるところには、いろんなものを惹きつける魔力のようなものが発生しているのかもしれませんね。

◇◇◇

これから始まる極上のエンターテイメントを予感させる優雅でアダルトな幕開け。強引に、それでもあくまで紳士的に、聴く人の身体をゆっくりと火照らせ揺らしていく“黒い”音。そしてjazzyな旋律と暖かいラップで包み込むGAGLE黄金パターンでの美しい幕引き・・・。アルバムの端々で甘美な余韻が渦を巻き、最後には華麗に尾を引きます。

DJ Mu-Rが近年感化されているベースミュージックの要素。DJ MITSUが海外ラッパーとの制作活動を通して得た刺激。HUNGERが世界を旅して体感した各地のヒップホップ・フレイバー。それらが混ざり合い三位一体で切り拓いた新しい新境地、新しいGAGLEの音が、このアルバムには凝縮されています。

インタビューを読むと、制作の途中まではアルバム前半のベースミュージック系の楽曲だけで1枚のアルバムをつくる予定だったそうです。しかし、完成までに4年の歳月がかかった(なんでも途中でデータ誤消去により録り直しがあったとか)ことにより心境の変化があり、最終的に現在のアルバムバランスになったと語られていました。

アルバム前半では新しいGAGLEの音楽を、終盤ではこれまで築き上げた慣れ親しんだスタイルでの楽曲を、というアルバム構成は、こうして聴き通してみるととても良いバランスのように思います。そのことにより本作をただの実験的作品としてではなく、最新のGAGLEに触知できる作品として味わい深く楽しむことができます。なにより昔からのファンにとっては、従来のテイストも味わえるというのは嬉しいことですよね。

◇◇◇

本作はアルバムとして何度でも楽しめる一枚ですが、その中には単体でも語りたくなってしまう楽曲もたくさんあります。

たとえば1曲目、タイトル曲でもある【Vanta Black】からそうです。地球上最も黒い物質の名からつけられたというタイトルの通り、その黒い音が聴く者を穏やかに昂ぶらせていきます。聴きなじみのあるトラックは、ブッダブランド名盤ベスト(金字塔)に収録されている【REMOTE VIEWER IS VIEWING BRIGHTEST FUTURE】と同じネタをサンプリングしていますよね。どうりですんなりとその音世界に馴染むことができるわけです。

【VANTA BLACK 】


つづく2曲目【Grand Gainers】は、本アルバム前半を象徴するかのような全開のベースミュージックにただただ心掴まれます。そして、そのような新しいトラックも難なく乗りこなしているHUNGERのラップを聴いていると、やっぱりこの人ラップ上手いなぁ、と改めて感心させられてしまいます。

5曲目【和背負い】では、KAGE THE SHADOWMEN鎮座DOPENESSという抜群の客演陣が輝きを見せています。和が香るビートの上で、KGAE & 鎮座節が炸裂していますよね。また9曲目【?!!Chaos!!?】は、タイトル通りカオス感満載の楽曲です。ヴォーカルエフェクトが新鮮かつ効果的に響いています。

そして秀逸で美しい終盤の3曲です。10曲目【日々Living】は、かねてからのファン同士だったというATATA奈部川光義がシンガーとして参加しています。ジャンルを超えた共演ですが、違和感なくアルバムに溶け込んでいますよね。なによりメロディと歌声がため息が出るほど美しい。

つづく11曲目は【Flow】は、過去曲【屍を超えて】と地続きともいえるような名曲です。ボーナス曲として収録されたトランペットヴァージョンを聴いてもわかるように、その旋律だけでも胸を震わせることができます。

【Flow】


そしてこのアルバムの最後を締めくくる楽曲【Always】。GAGLEの“素”の感情が歌われているような暖かい楽曲です。過去の名曲名も登場し、これまでGAGLEの音楽を聴き続けてきて本当によかった、これからも彼らの音楽を聴き続けていきたい。そんな感情が自然と沸き上がってきます。

もちろん今回触れなかった楽曲についても味わい深いものばかりです。是非ともアルバムとして一枚通して堪能していただきたいなと思います。そして私もできればツアーに参戦し、この珠玉の楽曲たちをLIVEでも味わってみたいなと思っています。

【AbemaMix LIVE】


さて、今回は2018年最初の作品紹介として、GAGLEの新作【VANTA BLACK】について書かせてもらいました。GAGLEは本当にHIPHOPアーティストとして理想的な歳の重ねかた、進化のしかたをしていますよね。

冒頭にも書きましたが、この作品のおかげで本当によい今年の“聴き始め”ができたと思います。是非多くの人に聴いてもらいたい、そう心から思わせてくれる素敵な作品です。

それでは今回はこのへんで。



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最終更新日2018-03-07
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