Pto6(ぴーとろっく)

Pto6(ぴーとろっく)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、ふと思い出して久々に見返した大好きなバトルについて書きたいと思います。そのバトルとはUMB2012における名勝負【R-指定 vs RITTO】です。好きなバトルを全てコレクションするつもりのこの“継承文シリーズ”で、いつか書かねばと思っていたバトルでした。

DVDを発売日に買って以来、それこそ擦り切れるほど見返してきたバトルですが、気がつけばもう5年以上も前のことになるんだなぁと、思わず感慨にふけってしまいました。しかし日々良質なバトルを目にすることのできる、いわば目の肥えた今見返してみても、未だに感動を覚えるほど高次元なバトルを両者繰り広げています。フリースタイルダンジョンをきっかけにMCバトルにハマった方々にも、是非とも一度は観ていただきたいバトルです。それではいってみましょう。

【R-指定 vs RITTO】

R vs RITTO 

【R-指定】
Yeah シャウトで言うことは無ぇ
俺はこのバース
ラップ全部詰め込んだぜ
yeah この献立
よく見ろよ on the set
お前のラップならばモロダセぇ
わかってるぜ 地元に逃げずに
ぶつかってこいや真っ直ぐ
今日はガッつく ラップ強化合宿
ei yo お前じゃまだこりゃ足りねぇ
空きっ腹に丁度いい
平らげるぜゴーヤチャンプルー

【RITTO】
レクチャー聞いちゃ言葉知っちゃ
俺まだ出てきちゃう
教わった言葉何も出ずに
この場今出し 言葉進化系で
誰にも爪跡は残さずに
今できることを俺は雁字搦め
お前を 目を離さずに
気持ち keep on movin’
you know me? わかいみー?
でも俺たちの言葉新しい
文化数珠つなぎ
そして持ってきた魂
ゆらりゆらりゆらり
海を越えお前の耳元に

【R-指定】
Yeah ゆらりゆらり
のらりくらり右に左
お前のスキルはまだ足りない
oh yeah yo フローだけで圧倒
どっちでもいいんだけど
俺の方が圧勝
まずは言葉ハメな
ちゃんとビートリズム乗りな
それができなければ消えな
いや 沖縄に帰りな
レベルの違い見せるスキルの違い
俺はもっとバッチバチな試合がしたい

【RITTO】
試合がしたいな
増した言葉だけは文化循環
おとなしく聞いてりゃ
俺もすれ違いさ
でもお前が一緒
人気者それでも
熱い看板 忘れない沖縄!
したり聞いたジタバタ
それを足がずっと
グラグラしたらつまらないから
Bombo claat motherfucker
織り交ぜ fuckin'なshit
俺の言葉 真実はありに

【R-指定】
沖縄!って叫んだだけ
自己満足するMC
こちとら死ぬ気のリベンジ
わかってるやろ?
聞き分けろリトマス試験紙
顔濃いけど内容薄いな
ニコラス・ケイジ
よく見とけちゃんと
俺の視点に合わせろ
こんなザコは相手にならねぇ
ひとまず停止
あーそうですかそれがお前のスキル
沖縄代表 RITTO怖くねぇし

【RITTO】
Yo 怖くねぇし言われたって散々
俺は別に何も気にしない
B-BOYスタンス HIPHOPのあり方
おいちょっと待った
言いたいことばっか言ってまた
俺の後ろに背負ったもんがあるから
それが化けて出て噛みついたまた
お客の前で恥さらしは無いな
できる覚悟 俺も陰と陽
合わせる言葉 どんなボケになっても
俺は構わんよ ya know?

【R-指定】
お前が背負ってるもん
俺にも背負ってるもん
あるから当然の
ゴールデンのマイクを
掴むために勝負しよう
on and on 420
どっちでもいいけども
俺にとっちゃ好都合
yo お前どうせまた
選挙行ったって無記名投票
やってられんな具志堅用高
パンチドランカー
脳ミソ無くなったんか?
まずはしっかり向き合って来いよ!

【RITTO】
向き合ってるつもり
ジタバタしてちゃいないな
俺のビジョンお前に
真っ直ぐ向けられたらしないわ
間寛平ばりにシコシコできないぜ
俺は感情入り乱れ試行錯誤
お前にツバ吐いていけるぜ
魂 覚悟俺はあるぜ命がけ
はしゃいだ分だけ金と札束 汗
血とバッズをバラまくぜ you know?
心洗わずにこの場進化停止
大阪-沖縄つなぐアーチ
Motherfuckin’命!

勝者:R-指定

今や説明不要、その後MCバトルを日本全土へと広め、地上波で初代モンスターとしても名を馳せることとなる最強のフリースタイラーR-指定。THA BLUE HERBのBOSSやkojoeなどレジェンド級のラッパー達から、今やアーティストとして絶大なる支持を集める沖縄のラッパーRITTO。そのようにこの両者の組み合わせを今振り返ると、対峙した当時以上にその貴重さが増して感じられます。おそらくは今後二度と見られないであろう、最初で最後の夢の対決だったのです。

このバトルを名勝負たらしめた要因はいくつかあると思いますが、その中の一つに、フロー巧者でスキルフルな二人に相性のいいビートが選ばれた、ということが挙げられるでしょう。選んだのはDJ BAKU。ビートは【Make It Bun Dem】でした。

並のMCでは乗りこなせないこの難解なビートに対し、両者は競い合うように多様なアプローチを展開していきます。このビートが“スキル勝負”という土俵をつくったことにより、“スキル”に対して強い拘りを持つ両者の闘争心に火がつき、それぞれ最高のパフォーマンスを引き出すこととなりました。これはバトルというより、もはや音楽セッションですよね。

この頃のR-指定のバトルスタイルは、今振り返ってみるとある意味でとても見応えのある時期だったように思います。UMB2010、2011と、優勝候補とされながら2年連続で1回戦負けを帰した翌年、R-指定は自身のスタイルの変革に向け取り組んでいました。

具体的には、それまでのスキルのみを拠り所とした軽快なスタイルから、ヴァイブスやアンサー、言葉の内容を重視するスタイルへのシフトチェンジに取り組んでいたのです。このバトルをした2012年頃は、それらのスタイルが移り変わるちょうど変遷期にいました。つまりは、双方のスタイルが良い塩梅でブレンドされていた時期だったのです。

私がR-指定を初めて見たのは2010年の頃でした。そのトリッキーなフローと良質なネタを織り交ぜた堅いライミングには、当時深く感銘を受けたものです。そしてその後はUMB3連覇ダンジョンモンスター就任メジャーデビューと、彼は一気に時代を駆け上がっていきました。そして深みのある言葉の掛け合わせと、他を寄せ付けない貫禄、圧倒的なボキャブラリーとスキルを武器に、現在の横綱スタイルへと変遷していったのです。

その実、私は彼の新旧どちらのスタイルも好きでした。それゆえに、双方の要素を感じることができる2012年頃のR-指定を、私はよく見返してしまいます。なにより、まだ無冠で挑戦者としてバトルに挑むR-指定を見られるのは、この頃が最後となるわけですから。

と、少しR-指定のことを書きすぎたので、このバトルでの赤文字箇所RITTOから選ぶこととしました。このバトルにおいて私がフローの面で一番感銘を受けた部分を選んでいます。それまではビートのエッジに捕まりタイトなライムを落としてきたRITTOですが、ここで彼は敢えてビートの手綱を離すまさに“離れ業”をやってのけます。そしてどこに漂流してしまうのかと一瞬聴く者の不安心を煽りながらも、フローの波長をまた次第にビートの波へと寄せていき、最後は再びビートへと乗り込む華麗なる着地をみせてくれるのです。最高に気持ちよいフローですよね。

とにかく何度観ても新鮮な感動を抱くことができる芸術的なバトルです。そして今回改めて文字起こしをしてみてわかったことは、音楽性だけでなく、各々の言葉の選択、双方の掛け合いにおいても実に見応えがあるということです。まさに音だけでなく内容でも楽しめる、食べて二度おいしいバトルと言えるのではないでしょうか。私は今後も折に触れては見返していきたいと思っています。是非一度とならず二度三度と、このバトルを堪能してみてはいかがでしょうか。

それでは、今回はこのへんで。

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最終更新日2018-01-28
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
新潟のオタクビーボーイ  
最高!

昨年は、エンドロールクレジットありがとうございました。感動しました!

このバトル最高です。
Pto6さんと同じく、rittoの「ゆらりゆらり〜」のくだりはDVDで見ていて、何が起こっているのか分からず何度も何度も見返しました。
JAZZセッションのアドリブで、コードが飛躍してからの着地がキレイに決まる瞬間がありますが、それに近い!
フリースタイルじゃないと絶っっ対出てこないフローですよね。

UMB2012久しぶりに見たくなりました!もちろんR指定も最高です。
いつも素晴らしい着眼点勉強になります。今年も記事楽しみにしています。

2018/01/28 (Sun) 23:15 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: 最高!

新潟のオタクビーボーイさん。
コメントありがとうございます。
そして明けましておめでとうございます^^今年もよろしくお願いします。


> 昨年は、エンドロールクレジットありがとうございました。感動しました!

いえ、こちらこそこんな形でしか日頃の感謝が伝えられず恐縮です。
昨年も本当にお世話になりました^^


> このバトル最高です。
> Pto6さんと同じく、rittoの「ゆらりゆらり〜」のくだりはDVDで見ていて、何が起こっているのか分からず何度も何度も見返しました。
> JAZZセッションのアドリブで、コードが飛躍してからの着地がキレイに決まる瞬間がありますが、それに近い!
> フリースタイルじゃないと絶っっ対出てこないフローですよね。
> UMB2012久しぶりに見たくなりました!もちろんR指定も最高です。
> いつも素晴らしい着眼点勉強になります。今年も記事楽しみにしています。

ほんとに久しぶりにこのバトル見返したのですが、やっぱいいなぁと思って、何の脈絡もなく書いてしまいました。笑
私はジャズには明るくないのですが、そんなアドリブがあるんですね!たしかに通じるところがありそうです。
それを音楽的に応用しているのだとしたら、RITTOはさすが凄いですね。

今回R-指定を中心に書いてしまったのも、RITTOの凄さはなかなか言葉にしづらいからという理由もありました。
でも、コメントいただいて少し気づかされたのは、とにもかくにも彼の“音楽性の高さ”が凄さの源にありそうですね。
沖縄の文化、そこで触れ合っている多種多様なブラックミュージック。
それを自身のラップに応用できることが、彼の一番のすごさなのかもしれません。

大変勉強になるコメントありがとうございました。
こちらこそ、今年も引き続きよろしくお願いいたします^^

2018/01/29 (Mon) 00:46 | EDIT | REPLY |   
ザーサイ好きのメーサイ野郎  
唸る試合

書き起こしお疲れ様です。
このバトルもとても唸る試合ですね。

RITTOのスキルフルなフロー
それにあえて押韻スタイルでは挑まず相手の土俵に立ちフロウとフロウのぶつかり合い。

私はumbのアプリで通信制限が何度も来るほど見て聞いたバトルです!笑

ちなみになんですけど、シャウトでRITTOは何と言ったか分かりますか?

2018/02/16 (Fri) 06:38 | EDIT | REPLY |   
Pto6(ぴーとろっく)  
Re: 唸る試合

> 書き起こしお疲れ様です。
> このバトルもとても唸る試合ですね。
> RITTOのスキルフルなフロー
> それにあえて押韻スタイルでは挑まず相手の土俵に立ちフロウとフロウのぶつかり合い。
> 私はumbのアプリで通信制限が何度も来るほど見て聞いたバトルです!笑
> ちなみになんですけど、シャウトでRITTOは何と言ったか分かりますか?

コメントありがとうございます^^
いいバトルですよね。私はDVDの方で同様に何度も繰り返し見ています。
スタイルウォーズも好きですが、このバトルのように同じ土俵での戦いも見応えありますよね。
ちなみにシャウトですが、私にもわかりません。沖縄の方言のようにも、英語のようにも聞こえますよね。
お力になれず、すみません。。。

2018/03/25 (Sun) 14:27 | EDIT | REPLY |   

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