Pto6(ぴーとろっく)

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どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、先日発売された呂布カルマの5thアルバム【SUPERSALT】について書きたいと思います。4年の歳月をかけじっくり焦らず作り上げられた本作は、彼の実力を改めて証明する素晴らしい作品でした。

それでは、この作品を聴いて私が感じたことについて書いていきたいと思います。

【SUPERSALT by 呂布カルマ】
supersalt 

<収録曲>
1. さようなら
2. white heaven
3. W.L.J.C
4. ずっと変 (feat. BASE)
5. サン=ジェルマン
6. メヲミテミナ (feat. 日系兄弟)
7. Mirror House (feat. ZAO)
8. 悪い夢
9. ズルムケ
10. Lost License Boys (feat. Campanella)
11. ヤングたかじん
12. Voice of TUNK (feat. MAKER)
13. YABO
14. CALM DOWN (album version)


文章を書いていると、ふいに書き出しの一文だけが頭に浮かんでくることがあります。その後どんな文脈を辿り、最終的にどんな着地をするのか。全くわからないものの、なぜだかそのまま書き進めるべきだ、という確信的な予感がその時はあるのです。

呂布カルマの今作を聴いていると、彼がそのような感性に引っ張られ、これらの歌詞を書いたのではないか、という想像が頭に浮かんできました。ビートにただ身を委ね、自らの泉から自然と湧き出る言葉達をすくい上げ、手が動くがままに綴っていく。時に書いている本人すらも驚くほどに、素直な感情の発露が、啓示的メッセージが、壮大なるビジョンが、そこには書き表されていくのです。

自身の活動において、最も重きを置くのはバトルでもライブでもなく作詞作業。それによって未だ見ぬ自分に出会えること、それがラッパーとしての喜びだということは、本作の中でも語られています。

そして、そのような感性に従い書き綴ったリリックを、何度も推敲しその言葉をより鋭利に尖らせていく。その作業にも彼は喜びを見いだしているように感じます。そう聴き手に想像させてくれるほどに、本作における彼のリリックは強靱なまでに洗練されているのです。

私はこの作品を聴いていると、呂布カルマはなるべくしてラッパーになった、そして自らもよく口にするように、生まれながらにその資質を持ち合わせているのだな、という確信をより深めていくことになりました。

もともと漫画家になろうとしていたくらい生粋の表現者で、芸人を目指すくらい真のエンターテイナーな彼が、出会うべくしてHIPHOPとの運命的な邂逅を果たしたのです。

そこは自身の邪な想いも、みだらな発想も、歪に入り組んだ思考回路すらもプラスに転じる文化。ストレートに吐露することが憚られるこっぱずかしいメッセージも、韻を踏むというゲーム的なルールに好い加減に縛られることで、照れ隠しもしながら、逆に自由な表現をすることができるのです。

まさにHIPHOPは、彼が望んでいた“ありのままの自分”を表現するに適した、最良のフィールドでした。彼はHIPHOPと出会ったことで、何の制約もなく自分を表現する手段を手に入れたのです。これを運命的と言わずになんと言うのでしょうか。

そんなことを心底納得させられてしまうほど、今作は凄まじいクオリティを誇っています。そして、彼の根っからの表現者としての才を、ありありと感じることができるのです。

そんな今作を聴く上での私の一番の愉しみ方は、そのリリックに身を委ね、言葉の世界に入り浸ることです。

私は彼の表現はもちろん、その扱うテーマからも文学性を感じてしまいます。そんな本作の中でも、リリックとして私が特に感銘を受けたのが、作詞作業における言葉との対峙についても歌われている【悪い夢】でした。

その他にも、【white heaven】【サン=ジェルマン】【ヤングたかじん】【YABO】といった曲が、リリックとして非常に聴き応えがあり私は大好きです。彼もリリック中で肯定してくれているように、ついつい深読みをしてしまう表現や、心掴まれる絶妙なる比喩があり、聴いていて飽きることがありません。

それらの曲からいくつか表現を抜き出して、ひとつひとつ味わいを語っていきたいという想いもあるのですが、表現の素晴らしさを表現しすぎるというのは、あまりにも“YABO”というものでしょう。

そのため、ここでは現時点で唯一MVが公開されている【white heaven】を例にとって、その表現の妙を感じ取っていただきたいと思います。

【white heaven】


まさに言葉の雨。怒濤のように発せられる言葉達は、天を仰いだ聴き手達の顔面に気持ちよく降り注ぎます。この楽曲を聴くと、呂布カルマは決して言葉の強度だけでなく、当たり前のようにラッパーとしてのスキルも兼ね備えていることを再確認させられます。

リズム良く配置された、それが生み出す勢いとグルーヴ。それでいて、そのテンションの起伏に対ししっかりと手綱を握りコントロールを利かせた、抑制ある楽曲展開が実に見事ですよね。

そして声ネタが多く含まれるこのビートですが、呂布カルマの声はそれらと一切混ざることがありません。そのことが、彼の武器のひとつであるその個性的な声の“異質性”を、より際立たせているように思います。

さて、本アルバムにはこの楽曲の他にも良質な曲が揃っています。また、BASE日系兄弟ZAOCampanellaMAKERといった猛者揃いの客演陣も、各自素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。まさに呂布カルマらしい客演のチョイスですよね。その能力はもちろん、呂布カルマとの相性においても抜群なメンバーばかりが揃えられています。

しかし、そんな素晴らしいラッパー達にマイクを回しても、最後には自分が全てを持っていく。そんな風に、どの楽曲においても呂布カルマがしっかりと主役を張っているのが凄いなと思いました。

彼の楽曲なので当たり前だというのは容易いですが、これだけのメンツに囲まれながら一切客演に食われずに、自分をより引き立たせているというのは、やはり実力のある彼だからこそできることではないかなと思います。

さて今回は、今月発売された呂布カルマのアルバム【SUPERSALT】について書かせていただきました。彼は本当に自分の立ち位置求められている役割を誰よりも理解していますよね。シーンの一番目立つところにいるこのタイミングで、このように誰からも称賛されるであろう素晴らしい作品を出してくれました。

この作品により、彼のプロップスは更に上昇することでしょう。名実共にシーンの先頭に立ち、これからも更に面白い展開を見せてもらいたいなと思います。

それでは、今回はこのへんで。







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最終更新日2018-08-16
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