Pto6(ぴーとろっく)

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どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、先日発売された仙人掌のニューアルバム【BOY MEETS WORLD】について書かせていただきます。

今作もシーン全体から寄せられる厚い信頼と期待を裏切らない、出色の出来映えとなっています。

それでは、本作について抱いた感想を書いていきたいと思います。

【BOY MEETS WORLD by 仙人掌】
仙人掌ボーイミーツワールド 

<収録曲>
1. 99'Til Infinity
  Prod by DJ SCRATCH NICE
2. Boy Meets World
  Prod by CHUCK LA WAYNE & DJ SCRATCH NICE
3. Penetrate
  Prod by GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE
4. Darlin' feat. jjj
  Prod by DJ SCRATCH NICE
5. Water Flow
  Prod by GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE
6. Bottles Up
  Prod by DJ SCRATCH NICE
7. Rap Savor feat. MILES WORD
  Prod by CHUCK LA WAYNE & DJ SCRATCH NICE
8. Show Off
  Prod by DJ SCRATCH NICE
9. So Far
  Prod by GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE
10. World Full Of Sadness
  Prod by DJ SCRATCH NICE、Additional Vocal by SOGUMM


全体に漂うアーバンな夜の雰囲気。その中で鮮やかな存在感を発揮する仙人掌の姿。しかしよく見ると、彼は高層ビルが立ち並ぶ華やかな世界を遠目に、つづまやかな住宅地にて佇んでいます。

アルバムを聴き終え、改めて眺めてみると、このジャケットが本作のすべてを言い表してくれているように思えてなりません。

鮮やかなオレンジに身を包んだ仙人掌ですが、軽く頭を下げ、その背中からは物寂しい空気を感じさせられますよね。まるで黙祷を捧げているようにも見えます。祈りを捧げる相手は、アルバム冒頭でも献辞を述べた亡きFEBBでしょうか。

仙人掌のラップには、“聴き手がついつい耳を傾かせてしまう魅力”が具わっています。

ビートに対し後ろ気味に乗りこなす色気あるフロウ。耳に飛び込んでくる機知に富むワード。ドラマチックで切れ味のあるリリック展開・・・。そのどれもが、私たちの耳を掴んで離しません。

また、韻に固執しすぎずとも、決して蔑ろにしない。その絶妙なるバランスが、HIPHOPとしての聴き応えと深いメッセージ性を両立させているように思います。

切り取り方がとにかく秀逸な具体的描写と、信念が刻み込まれた抽象的概念が、ウィットに富んだ比喩により強く結びつき、リリックが映像的に展開されていくように感じます。

このアルバムはバリエーションに富んだ前作【VOICE】に比べると、統一感に重きを置いたアルバムのように感じます。それにより、限られたフィールドの中で、世界観とラップがより洗練されたような印象を受けました。ビートメイカーDJ SCRATCH NICEと共に一枚を作りあげたい、という構想が先にあったのかもしれません。前作も仙人掌の魅力が詰まった素晴らしい作品でしたが、コンセプトが統一されたコンパクトなアルバムがもともと大好物な私にとっては、本作も至高の作品でした。

客演陣の素晴らしい働きっぷりも、本作を語る上では欠かせない要素のひとつでしょう。

相性ばっちりMILES WORDとのアイデアに満ちた楽曲【Rap Savor】は抜群のアクセントをアルバムに与えていますし、JJJとの出色のスウィートソング【Darlin'】も聴くたび心を震わせてくれます。フューチャリングが明記されていない【Water Flow】にも特別な思い入れを感じますよね。

もちろん、仙人掌のソロ曲もどれも素晴らしいものばかりです。楽曲の隅々にまで神経が張り巡らされたような生き生きとした躍動感を、各曲から感じさせてくれます。

そんな良曲ばかりの本作を象徴するのは、リード曲【Show Off】です。洗練された極上のHIPHOPサウンドは、ヘッズ達を洩れなく唸らせてしまうことでしょう。

【Show Off】


DJ Premierをも彷彿とさせるネタの刻み具合が印象的なビートの上で、荘厳な音にも全く引けを取らない仙人掌の存在感が光っていますよね。そのクオリティは、HIPHOP好きのみならず、万人の身体をも揺らせてしまうパワーを具えているように思います。(現にうちの奥さんは、一聴しただけで心掴まれていました。)

聴けば聴くほど惹きつけられる、そんな仙人掌の魅力が、この1曲を聴いただけでも感じ取れるのではないでしょうか。

*****

さて、今回は仙人掌の2ndアルバム【BOY MEETS WORLD】について書かせてもらいました。今後も折に触れては聴き返したい、アダルトな充足感に満ちた作品です。長い付き合いになること間違いありません。

過酷の環境に根を張り、タフにサバイブし、突き刺す言葉を武器に、格別なる存在感を発揮する。まさに彼は“仙人掌”という名に相応しい、刺激的な魅力を具えているラッパーです。心に刺さったトゲたちは、簡単には抜けてくれないことでしょう。

それでは、今回はこのへんで。



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最終更新日2018-07-09
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