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日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

このDVDが良い雰囲気⑤(UMB 2014 GRAND CHAMPION SHIP Part2)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

前回に引き続き【UMB 2014】について書いていきます。今回も本大会で特に印象に残った4人のMCについて書いていきます。

<GOTIT>
ガッティ

<GOTIT>は本大会で最も評価を上げたMCでしょう。ONEPIECEの世界に例えると一気に懸賞金が跳ね上がったイメージです。まさに本大会のダークホースでした。

その人懐っこく憎めないほど素直で真っ直ぐなキャラクターで、完全に客を味方につけていました。しかし、ただ愛されて勝ち上がったのではありません。試合を見てみるとわかりますが、完璧に実力で決勝まで勝ち上がりました

彼から放たれたバースの全てに彼の内面と情熱が投影されていて、聴いていて自然と揺さぶられました。そして、さすが近年MCバトルで経験を積んできただけあって、試合運びや駆け引きが上手いなと思いました。

私が選ぶ本大会GOTITのベスト試合は「GOTIT vs ふぁんく」の延長戦「16小節×2本」です。“熱くて”“うまくて”“的確”な上に“ストレートなメッセージ”を乗せたGOTITの1バース目は彼の全てが濃縮されたバースだと思いました。

次点で1回戦の「GOTIT vs NAIKA MC」ですね。こちらも名勝負です。このように本大会でのGOTITは、一回戦目から“準決勝”まで熱く安定したバトルを展開し、完璧なバトルの出来でした。

決勝戦では、小節間違いという致命傷なミスをやらかし、ボロ負けしてしまいました。初めての決勝で且つ相手が以前ボロ負けしたR指定ということで、少し空回りしてしまったのでしょう。でも来年もチャレンジするとのことなので、今年で箔を付けたGOTITの進化に注目したいです。

とにかく、この大会以降GOTITを「ゴチット」と呼ぶ人はいなくなるでしょう。(冗談でいう人はいるでしょうが。笑)それほどまでに、彼は一気に全国区のMCになりました。ちなみに「GOTIT」の綴りの由来は「GOT IT(わかった、任せろ!)」からとったのかなと最近勝手な推測をしていました。真相はどうなのでしょうか。

<SURRY>
surry

以前もこのブログで紹介した<SURRY>ですが、やはり全ての試合で圧倒的な存在感を放ってました

【UMB 2014 FINAL DVD Trailer】の紹介記事はこちら

“固いライミング”“熱いバイブス”“的確なアンサー”“破壊力抜群のパンチライン”など、やはりSURRYもフリースタイルの基礎能力が凄まじく高い、その上に「声」という最大の武器があるのが、SURRYの強さだと私は思います。

やはり、彼のベスト試合は「SURRY vs MC☆ニガリ」でしょう。昨日のUMB podcastでも試合の全貌が紹介されていました。DVDをまだ買っていない人は是非聞いてみてください。あの高校生ラップ選手権二連覇のMC☆ニガリを瞬殺する最後のパンチラインは超必聴です。

【UMB PODCAST】はこちら

SURRYについては以前の記事でも紹介したので、あとは割愛させていただきます。とにかくSURRYも間違いなく本大会を盛り上げた一人でした。

<GIL>
GIL

GILは本当に“渋い”という言葉が似合うMCです。2012年から本戦に出場し、それ以降3年連続で着実に順位を上げ、本大会ではベスト4まで来ました。

彼の特徴は“相手が大物なほど力を発揮する”という点だと思います。王者に対しても決して物怖じせずに立ち向かう姿はまさに“侍”を彷彿とさせます。以前このブログで紹介した晋平太との勝負も、まさにGILのそんな特徴が出た試合でした。

【戦極10章 晋平太vsGIL】の解説記事はこちら

本大会におけるGILのベスト試合は「GIL vs R指定」でしょう。前回大会のベストバウトも同じ対決でした。今回は延長になり2回戦うのですが、1回目の戦いはあのR指定と完全に互角な試合を見せてくれます。敗者インタビューの際にも「昨年よりもR指定に壁の高さを感じなかった」と言っていましたが、まさにそんな印象でした。確実に王者との実力差がなくなってきています。

【R指定 vs GIL】のバトルリリックはこちら

しかし、ここで敢えて辛辣なことを言わせてもらうと、大物相手に「善戦はするものの勝ち切れない」という事実が今のGILを如実に表している事実だと思います。2012年以来、着実に実力を向上させてきたイメージでしたが、ここにきて<「成長の頭打ち感」を感じてしまいました。

確かに安定して熱く格好いいバトルを見せてくれていますが、裏を返せば“良くも悪く金太郎飴状態”で、どこを切っても“いつものGIL”になってしまっているように感じました。

その安定感が魅力の一つですが、ここでもう一段階跳ねる為には、“更なるプラスαの武器”が必要になってくるのではないでしょうか。

GILは大好きなMCであるからこそ、彼の今後の更なる飛躍に心から期待しています。

<DOTAMA>
DOTAMA

王者R指定の最大のライバル<DOTAMA>も今大会でもドラマを見せてくれました。

【R指定 vs MC DOTAMA】のバトルリリックはこちら

本大会における全試合の中でのベストバウトは「DOTAMA vs R指定」の延長1回目だと私は思います。終わった後に観客から歓声だけでなく拍手が起こっていました

この試合は、スキルとバイブスを保ちながらも、二人の会話とディスが高い次元で完全に絡みあっていました。まさに“MCバトルにおける現時点の最高到達点”な試合だと思います。敗者インタビューのDOTAMAは、悔しがりながらも、最大のライバルと高いレベルの試合が出来たことに満足しているように見えました。

この試合の中で「ギャグラップで頂点に立つ」ということを言っていました。彼は彼のスタイルに誇りを持っているのですね。ただ、本大会のDOTAMAを見て彼は既に“ギャグラップの次元を越えている”と思いました。

彼のこれまでの武器である“頭の回転の早さ”“豊富なボキャブラリーとテーマ”“聴きやすい早口を繰り出す滑舌の良さ”“観客を上げるユーモアセンス”に加え、去年から“ライミングスキル”を身につけ、今年からは“フローバリエーション”も手に入れました。

彼は”色物ラッパー”としてデビューしましたが、ここにきて“フリースタイルの基礎能力”を身につけ、総合力で戦えるMCとして完成したのです。普通のMCは基礎の上にプラスαを足しますが、DOTAMAの場合は先天的に身につけたプラスαの下に基礎を築いたと言えます。まさに天才肌のMCですね。

敗者インタビューで次回大会への出場はまだ不明とのことでしたが、R指定に加え彼も出ないとなるとかなり寂しい気がします。DOTAMAには、是非今後もバトルを続けてほしいと願っています。



さて、ここで前回記事の訂正をさせて頂きます。「2回に渡りUMB2014特集をします」と言っておりましたが、2回でも足りませんでした。すみません。笑

その為、次回も引き続き【UMB2014特集】をさせて頂きます。次回は「王者R指定」についてと、大会総評をさせて頂きます。是非チェックしてください。

では今回はこのへんで。

【UMB2014特集Part3】はこちら

[追記]GOTITの由来は推測通り「GOT IT」からだそうです。Twitterで教えて頂きました。ありがとうございます。

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