HIPHOPの必須トーク

日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

日本の名盤・基本の定番③(See YA At The FootBridge by Umeda Cypher)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

UMBの流れで、今回は梅田サイファーのコンピレーションアルバムをご紹介します。

UMB2014後にiTunesでの発売が開始し、手に入れやすくなりました。R指定の優勝、ふぁんくの活躍を見て購入した人も多いのではないでしょうか。

何を隠そう私もその一人で、大会後の昨年の年末に購入して以来、このアルバムを何度も聴き返しています。

【See YA At The FootBridge】
umeda

<収録曲>
1.Intro
  Words by:ふぁんく,KZ,たぅりん,KBD,Kenny,R-指定
  Beats by :7次元 from EATMIC
2.マイ・バック・ページス
  Words by:Scaffold(KZ,ふぁんく)
  Beats by:dio j
3.Black Pepper Mill
  Words by:Japidiot MC's(コマツヨシヒロ,テークエム,tella,鉄兵)
  Beats by:dio j
4.ドリームフィニッシュ2
  Words by:ネピア,ヤス八番
  Beats by:Abratic Cut by:DJ HAMAYA
5.Eat You Up
  Words by:Kenny Does,テークエム,KOPERU
  Beats by:dio j
6.What's 韻?!
  Words by:KBD,コマツヨシヒロ,Ray,KZ,R-指定
  Beats by:DJ HAMAYA
7.Inner Flame
  Words by:ふぁんく,たぅりん
  Beats by:dio j
8.ユーモア
  Words by:ふぁんく
  Beats by:dio j
9.COLOR
  Words by:FUNHOUSE(テークエム,ペッペBOMB),Kenny
  Beats by:dio j
10.テレフォンショッキング
  Words by 旧コッペパン(R-指定,KOPERU,たまこぅ,ペッペBOMB)
  Beats by:dio j
11.25
  Words by:KZ and doiken,We La Works(tella,鉄兵)
  Beats by dio j
12.分岐点
  Words by:ふぁんく,KZ,たぅりん,KBD,Kenny,R-指定
  Beats by:dio j
13.Umeda Cypher's Delight
  Words by:梅田サイファーMC's
  Beats by:dio j

<R指定>、<KOPERU>、<KBD>、<ふぁんく>等の活躍もあり、近年ヒップホップ界、特にMCバトル界で広く知られてきた「梅田サイファー」ですが、毎週土曜日の夜梅田の歩道橋にて、もう何年も続けられているようです。

ふぁんく曰く「吉本のNSCみたいなもの」だそうで、そんなラッパー養成所である梅田サイファーにおいて、「今現在のメンツで、一度記念になるものを」という経緯で作られたのが本作だそうです。

「大阪名産の特産物」と称する「韻の固さ」「ユーモア」を共通項にもった個性豊かなMC達が作った楽曲は、MC達同様に十人十色でバリエーションに富んでいる良曲ばかりです。

サイファーノリを彷彿とさせる楽しいラップ曲や、韻の面白さを追求した曲、下ネタをただただ連発する曲など、楽しく賑やかな楽曲が中心ではあるものの、将来への希望や不安を歌った曲や、去っていったかつての旧友たちに送る曲などの思わずジンときてしまう曲まであり、収録されている楽曲たちは本当に振り幅が大きいと思います。

そんな中でも、ヒップホップの面白さはやはり韻だと再認識させてくれる6曲目の【What's 韻?!】から、ただただ格好いい<ふぁんく>と<たぅりん>を堪能できる【Inner Flame】、ふぁんくが自身の拘りについて歌う、アルバム唯一のソロ曲【ユーモア】、タイトル通り色とりどりのマイクリレーが楽しい【COLOR 】、旧コッペパンメンバーのスタイルや個性の多様性を再確認できる【テレフォンショッキング】、アルバムを徐々にエンディングに導く【25 】、を経てつなぐ12曲目の“名曲”【分岐点】までの流れは秀逸で、何度も何度も聴き返してしまいます。

また、そんな個性派MCが伸び伸びとラップを乗せているトラックがこれまたとても良いんです。大半のトラックメイクを担当している<dio j>のサンプリングをベースにつくられた、繊細で且つ力強い古き良き時代のヒップホップサウンドがしっかりと屋台骨となり作品を支えています。

また聴いていると、MCバトル好きなら聴いたことあるラインが多々でてくることに気が付くと思います。例えば【What's 韻?! 】で出てくるKBDのバースにおけるこんなライン。

“奢ってやろうか?ジントニックとウォッカ

これはUMB2012の決勝戦で<R指定>が<mol53>に対して繰り出していたラインです。他にも【Inner Flame 】のふぁんくのバースではこんなラインがでてきます。

わかって若手なら皆見習う”

こちらはR指定のデビュー音源でもある【R.I.P.】で引用されているラインです。また他にも、このアルバムには入っていないものでも、KBDやR指定がそれぞれ別のMCバトルで使っていたこんなライムもあります。

“悪かったな上から目線、だって俺梅田レペゼン

こんな風に、どうやら梅田サイファーで生まれたラインやライムは“共有資産”的に扱われているきらいが伺えます。そのことについては、本アルバムの収録曲【分岐点】におけるR指定のバースから、彼の想いが伺えます。

“俺は知ってるお前のあのバース
日の目を浴びないあのライム、あのパンチライン
お前の分までもっていくぜ、ドデカいステージ”


どうやらR指定は他の仲間や、かつての旧友と培った経験や想い、テクニックを全て背負って大きな舞台の上で戦い続けているみたいですね。UMB2014のウイニングラップで吐露していた「歩道橋でバカみたいなラップをやり続けたが間違いじゃなかった」というバースは、こういう想いからきたものなのかも知れません。その背景を知ってまた聴いてみると感極まってしまいますね。

じゃなくてから大阪維新”

R指定のアルバムで使われ、さらにはアドレナリン2014の<輪入道>戦でも使われたこのバース。「大阪維新を起こすのは“橋下徹”ではなく、(歩道橋)ので歌い続ける俺達だ!」という想いを込めたこのラインですが、今や大阪だけではなく、日本全体のMCバトル界に変革をもたらしました。今後も日本のヒップホップ界を大いに盛り上げてくれるのではないかと期待しています。

興味が出た方がいらしたら、彼らの音源を是非一度聴いてみてください。下記サウンドクラウドでは、同郷の先輩である<韻踏合組合>の名曲【一網打尽】の梅田サイファーRemixなど、彼らの魅力が詰まった音源が無料で公開されています。

【梅田サイファーのサウンドクラウド】はこちら

今後も大阪から個性豊かなMCがどんどん登場することを楽しみにしています。
では今回はこのへんで。



関連記事

0 Comments

Leave a comment

ブログパーツ