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日本の名盤・基本の定番⑦(The Package by AKLO)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回もお気に入りのアルバムを紹介します。近年のヒップホップシーンを語る上では外せない作品、<AKLO>のファーストアルバム【The Package】です。

【The Package by AKLO】
AKLO


<収録曲>
1. BEAST MODE
2. RED PILL
3. BEST MAN
4. FOOT PRINT
5. S.H.O.T.
6. CHASER
7. DAY OFF
8. HEAT OVER HERE
9. サッカー feat.JAY’ED
10. THE LADY
11. PM TO AM
12. LIGHTS & SHADOWS feat.NORIKIYO
13. YOUR LANE feat.鋼田テフロン

Web上で公開した2つのフリー音源で一躍有名になった<AKLO>が「パッケージ」として初めて出した作品が本作です。自身も「“フリー音源”とのクオリティの違いを見せたかった」というだけあり、リリックもトラックも一切の妥協がなく、期待していたファンたちの期待を軽く超えた作品となり、高い評価とセールス(iTunes1位など)を獲得しました。

彼は自身の美学はヒップホップにおける「セルフボースト」だと語っており、このアルバムでもAKLOが表現したい「強さ」が全面に押し出されています。リスナーが「共感はしないけど言っていて気持ちいい、思わず真似したくなるフレーズ」を意識して取り入れられています。例えばこんなラインです。

“Fakeのぼやき野焼きでBurn”

そのほかにもエグいほど言い過ぎのボーストも多々見られるのですが、それをShow off(いやらしく聴こえないようメロディ等で工夫)することで気持よくリスナーに聴かせるように作っています。

とにかく耳の肥えたリスナーと業界人から早い段階で評価されていたAKLOですが、KREVAも早くから彼の才能を見出していた一人です。KREVAは早い段階でAKLOをフックアップしたり、自身のフェスに呼んだりと、積極的にAKLOをサポートしていました。

そしていつもAKLOのことを評価している発言をしています。KREVAフェスの最新DVDの副音声では<RHYMESTER>の<宇多丸>と二人で大絶賛しており、「日本語特有の臭みが全くない、日本語ラップの最新進化系」とまで称されていました。また、「AKLOは研究熱心」だと褒めており、「Web音源で不評だった日本語を英語っぽく発音することをそれ以降あまり使わないようにしている」というエピソードも紹介し、自身の音楽に誠実に向き合うAKLOの姿勢を讃えていました。

そんなKREVAがAKLOを語っている動画を見つけました。

【KREVAが語るAKLO】


この動画の中でKREVAは、この【The Package】が「近年の日本ヒップホップシーンにおいても重要な作品」と語っております。その理由のひとつとして「バイリンガルラップと日本語ラップの太い架け橋となる作品」だからだと語っています。

またAKLOのスキルについて「フローとライミングが共存」しており、「ユーモアが高い次元で取り入れられている」と絶賛。作品については「聴いていて自分まで強くなったように感じられる」と語っています。ちなみに、ここでのAKLOの「俺は自身をバイリンガルラッパーだとは思っていない」という発言を受けて、後日KREVAは自身のブログにて自身の発言を訂正をしていました。若手をそこまで持ち上げることができるKREVAも格好いいですね。

ここで少しAKLOの生い立ちを紹介しますと、メキシコと日本のハーフであるAKLOは、15歳の頃アメリカ南部の田舎町でヒップホップに出会い、魅了され、自身も英語でラップを始めました。その後、日本の大分に移ることになりますが、そこでもしばらくは「英語ラップ」でフリースタイルバトルなどをしていたそうです。しかし日本語ラップが根付いた大分のシーンにおいて「英語ラップ」をするAKLOはディスの対象となりました。そこで、自身をディスった人たちを見返すために「日本語ラップ」を始めます。これがAKLOの日本語ラップの入口だったそうです。そのようなAKLOの数奇なラッパー人生をサッカーにたとえて歌った曲がこの【サッカー】という曲です。

【サッカー(feat. JAY'ED)】


またアルバムの最後を飾る曲【YOUR LANE】は、実は自殺をしてしまった先輩に対して書いた曲なのです。とても自身を可愛がってくれた先輩が「自殺する前にこの曲を聴いてくれていたら結果は変わったかも」という想いで書き上げた曲だそうです。まさに“強さ”を提示するこのアルバムの象徴的な楽曲です。

【YOUR LANE feat.鋼田テフロン】


AKLOは「ヒップホップは超ハイセンスだね」と言われる日を夢見て、「自身のセンスで戦い続ける」とインタビュー等で語っています。この類まれなるセンスでこれからも日本のヒップホップシーンを華麗に導いてくれることでしょう。現に、昨年発売されたAKLOのセカンドアルバム【The Arrival】も素晴らしい作品でした。このブログでもまたいつか紹介したいと思います。

では、今回はこのへんで。




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