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日本の名盤・基本の定番⑯(心臓 by KREVA)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、久しぶりに音源のご紹介です。今の私のように「メロウな曲が聴きたい気分」になった時に何度も手が伸びる、そんな大好きなアルバムをご紹介します。KREVAの4thアルバム【心臓】です。

【心臓 by KREVA】
心臓

<収録曲>
1. K.I.S.S.
2. 瞬間speechless
3. これがFall In Love
4. Tears In My Eyes
5. リズム
6. シンクロ feat.古内東子
7. Tonight
8. 心臓
9. ACE
10. 成功
11. 中盤戦 feat.Mummy-D
12. I Wanna Know you
13. キャラメルポップコーン feat.将絢 from Romancrew
14. 生まれてきてありがとう feat.さかいゆう
15. この先どうなる?

このアルバムはKREVA自身が「傑作を作ろうと思って作った」と語るほどに心血を注いで作ったアルバムです。

私にとっても、KREVAの実力を改めて痛感させられた作品で、本格的にKREVAの音源を聴くようになるキッカケとなった思い入れの強い作品です。ファンの間でも「ベスト盤を超えるオリジナルアルバム」として語られています。

“音楽配信”の流れが強くなり“曲単位での購入”が可能となった時代、“CD”というパッケージの意義が問われている風潮の中でリリースされた作品ということで、「アルバムとして通して聴きたくなる作品」ということをKREVA自身強く意識して作った作品となっています。

アルバム構成としては、“愛”というテーマを中心に“メロウな歌もの”が雰囲気を醸し出す「左心室サイド(赤)」と、ラップの魅力が最大限に表現されたアッパーで盛り上げる曲が並ぶ「右心室サイド(青)」が、アルバムのちょうど中心に据えられた【心臓】という曲を挟んでセットされており、それらの音楽がまるで“動脈血”“静脈血”のように心地よくリスナーの身体中を巡り流れていきます。

KREVA作品において大きな転機となるミニアルバム【OASYS】は、この【心臓】の後にリリースされます。【OASYS】以降、KREVAの音楽アプローチはそれまでの「サンプリングを用いたトラックメイク」から「シンセサイザー中心のトラックメイク」へと大きく転換します。

その音楽アプローチの転換の背景には、著作権の取り締まりが厳しくなりサンプリングを用いた楽曲を思うようにリリースできなくなったということがあります。せっかく作成した楽曲が著作権の関係でリリースできなくなった、もしくは手続きに時間がかかってしまうということを何度か経験したKREVAは、自身の音楽を表現する上で大きな方向転換を決意するのです。

そんな大きな方向転換の直前、KREVA自身が「サンプリングネタのストックを全部出しきった」と語った作品が本作【心臓】なのです。もちろん今のアルバムも大変クオリティが高く、リリースの度に自身の最高傑作を更新しているKREVAですが、サンプリングを用いた“KREVA第一章における最高傑作”といえば間違いなくこの作品ではないでしょうか。

さて、では「左心室サイド」「右心室サイド」から一曲ずつ紹介しましょう。

【瞬間speechless】


KREVA自身にとっても大切な曲としてよく語られている曲です。今でもLIVEではよく歌われており、生演奏などによるアレンジも抜群に映える曲で、人気も高いです。

とにかく、トラックができた時から大変気に入り、大事に温めてきた曲らしく、このアルバムの“左心室サイド”は、この【瞬間speechless】を中心に構成されています。まさにKREVAによるラブソングの代表曲といえる曲だと思います。

ボコーダーを用いたサビの雰囲気がとにかく心地よい本楽曲は、ラップだけでないKREVAの“歌”の魅力と実力が再確認できる曲といえるかもしれません。簡単なように思えますが、これを素人が歌おうとするとなかなか表現できません。カラオケで挑戦してみたもののあまりの再現性の低さに失望してしまったのは、なにも私だけではないのではないでしょうか。笑

【中盤戦 feat.Mummy-D】


大人気海外ドラマ「プリズンブレイク」の日本版テーマ曲としても採用された本楽曲も大変人気が高い曲です。今でもKREVAフェスやライブでもよく披露されています。

とにかく「ラップのうまさ」を表現した本楽曲は、ある種のセルフボースト曲だと思います。KREVAも「カラオケで歌えるもんなら歌ってみろ」とインタビューで語っていました。実際に歌ってみると、“ライムの面白さ”、“緩急のあるフロウの難しさ”などのラップの醍醐味を味わえるので、最適なラップ課題曲となるのではないかと思います。

KREVAは、本アルバムリリース時のインタビューで、“SEEDAからミスチル(Mr.Children)まで”一緒に共演してきた自分にしかできない音楽で、その両方のアーティスト・リスナーに響く作品を作りたいと語っていました。

そしてこの曲を含む“右心室サイド”では、そこでいう“ミスチル”サイドの人達を振り向かせるべく、高いラップスキルはもちろん、工夫された様々なサウンドアプローチが施されています。この曲も“ただカッコイイだけではないラップ曲”に仕上がっていると思います。ラップ好き以外の人が聴いても良さが伝わるのではないでしょうか。

さて、今回紹介した2曲以外にも粒ぞろいな楽曲が並ぶ本作ですが、残りの曲の紹介については本作をKREVA自身が説明する動画がありましたので、是非そちらを見てみてください。本作に込めたKREVAの強い思いも感じ取れることと思います。

【KREVA「心臓」スペシャルインタビュー】


さて、今回はメロウな雰囲気を醸し出すアルバムをご紹介しました。コテコテのラップアルバムが大好きな方々も、“メロウな中にもしっかりと存在するHIPHOPの要素”を感じ取ってくださればと思います。

では、今回はこのへんで。



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