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旬な話題は損なわない④(“みたらしbeef” MC松島 vs ヘタレビーボーイ)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、ここ1ヶ月もの間Twitter上を大いに盛り上げ、本日遂に終焉を迎えたMC松島とヘタレビーボーイのBEEFについて書きたいと思います。

結果としてそれぞれ合計4回ずつ、交互にディス曲をYouTubeに投稿し合うことになったこの長い争いを振り返ってみましょう。

【ヘタレビーボーイは嫌な奴 by MC松島①】


いつからか“みたらしBEEF”と呼ばれるようになったこの小競り合いの始まりは、2015年5月18日にまで遡ります。

この壮大なBEEFのキッカケはそもそも何だったのか?

それは、2015年5月5日<KEN THE 390>の主催のイベント【超ライブ@渋谷club asia】のライブ前の楽屋で起きました。ヘタレビーボーイが誰かの差し入れの“みたらし団子”をMC松島の分まで食べてしまったのです!(ちーん)

なんとも言いがかりくさいこんな小さなキッカケだけでディス曲を公開したもんだから、このディス曲の動画をアップした当初、MC松島へは冷ややかな意見がたくさん寄せられました

仲間である『トウキョウトガリネズミ』のメンバーからも「失望した」という趣旨のツイートも食らったりもしていました。この頃のことについては最後の動画(4本目)でMC松島自身も「最初はすげぇ辛かった」と語っています。

なにはともあれ、こうして伝説(?)のBEEFが幕を開けたのです。

【アンチで嫉妬しまくる松島さんへ by ヘタレビーボーイ①】


MC松島のディス曲がアップされてから3日後の2015年5月21日にヘタレビーボーイからアンサーが返ってきます。

このころ既にYouTuberとしての人気を確立していたヘタレビーボーイが相手なだけに、このアンサー曲が投稿されるまでは、「ヘタレビーボーイは無視するのでは」、「ディスられたことにすら気がついていないのでは」という心配の(?)声も上がっていましたが、しっかりとアンサーを返してきました。

このアンサーにより、今回の件が「DIS(批判)」から「BEEF(争い)」に変わった瞬間でもありました。

ちなみに、冒頭でヘタレビーボーイが語っているセリフ「“本物のラッパー”にディスられた」という言葉は、MC松島にとって嬉しい表現だったらしく、4回目の動画を投稿した後に「こんなことなかなか言われない」とまんざらでもない心境をツイートしていました。

私はこのヘタレビーボーイのディス曲を最初に聴いた時、思っていたよりもしっかりとしたアンサー曲だったのでビックリしたことを覚えています。これによって、ハイレベルなディスのキャッチボールができる戦いになると思いました。

ただ、この頃はまだ、正直このBEEFがここまで面白くなるとは思ってもいませんでした

【ヘタレビーボーイは良い奴だけどバカ by MC松島②】


更に4日後、2015年5月25日にMC松島がアンサーを返します。

痛烈なアンサーです。“足跡まみれの韻”“論点がぶれぶれ”“団子の件面白く取り上げるべきだったな”的を射ている指摘ばかりで、これには正直ヘタレビーボーイも「中途半端にアンサー返すとヤバい」と思ったかもしれません。

一方で、ユーモア満載の曲部分と、恫喝まがいな曲後の語り部分のギャップに、「MC松島は本気で怒ってる説」「MC松島なりのユーモア説」のどちらがMC松島の真意なのか、という話題がTwitter上で語られていました。

私も「ユーモア説」だろうと思っていましたが、頭のどこかで「本気説」も捨てられない状況でした。どちらにせよ、この頃までも引き続きMC松島へは冷ややかな意見がぶつけられており、戦局としてはMC松島が不利と言わざるをえない状況だったと思います。

【アンチでしつこい松島さんへ by ヘタレビーボーイ②】


その更に3日後、2015年5月28日にヘタレビーボーイが再度アンサーを返します。

1本目と比べると、ライムがスキルフルになり、前回よりもあきらかに本気度が伝わってきます。曲後の語り部分でも“ラッパー vs YouTuber”なんだから圧勝しないとお前の勝ちじゃないぞ」という痛いところをつくセリフを吐き、多少なりの苛立ちを感じさせます。

また、“結局ラップが誰かっぽい”というMC松島のディスに対し、“結局ラップがsaluっぽい”と返します。たしかに言われてみればMC松島は<salu>にフロウが少し似ているかもしれませんね。

しかし結果として、この“saluっぽい”と言う言葉が次のMC松島3曲目で、ディス曲を超えた名曲と言われる「ヘタレビーボーイは言い訳して逃げる」を生むことになるのです。

【ヘタレビーボーイは言い訳して逃げる by MC松島③】


ヘタレビーボーイの再アンサーから4日後、2015年6月1日にMC松島3曲目を公開します。

これが、この“みたらしBEEF”における一番の名曲で、且つこれまでの「MC松島不利」の戦局をひっくり返す1曲となりました。

とにかくライムの置きどころのバリエーションが豊富で、フロウも多彩、さらに言うことは的確かつ、ユーモアも満載。なによりトラックが抜群にカッコイイ(【She Wants to Move】by N.E.R.D.)

さらには“saluっぽい”というディスに対し、近年のクラシック曲AKLOの【RGTO】におけるsaluの有名なバース“salu君には頑張って欲しい”を引用した返しはとても見事でした。

【RGTO by AKLO feat.SALU, 鋼田テフロン & Kダブシャイン】


これに対して、ヘタレビーボーイが“は?お前が頑張れエセ評論家!”とMC松島に返したら面白かったのですが、実際はそういう展開にはなりませんでした。

なにはともあれ、ディス曲という枠を超えて高く評価されたこのMC松島の3曲目は、この“みたらしBEEF”を語る上でとても重要な曲になりました。

【アンチでストーカーになった松島さんへ by ヘタレビーボーイ③】


ヘタレビーボーイの再々アンサーはそれから3日後の2015年6月4日でした。

“ポップな曲じゃなくて、ハードでヘビーなやつで返してこい”というMC松島の要求に応え、シリアスなヒップホップサウンドのトラックで曲をつくっています。ヘタレビーボーイは本当にいい人ですね。笑

また、曲中で“なぜ団子食っただけで、マジここまで絡んでくるかね”というヘタレビーボーイの主張には思わず笑ってしまいました。確かに!!笑

ただ、今回の3ターン目はお互いが「ガチ曲」で真っ向から戦っただけに、歴然としたスキルの差が浮き彫りになってしまったと思います。ヘタレビーボーイもスキルは高いのですが、如何せんMC松島のスキルが高すぎました。

この3ターン目でMC松島のお株が急上昇し、戦局は一旦イーブン(若干MC松島有利)へと移りました。そして、ヘタレビーボーイが宣言したとおり“次の4曲目で最後の決着をつけよう”ということになるのです。

【ファイナルヘタレディスッタッス by MC松島④】


それから5日後、2015年6月9日に松島が最後のディス曲を発表します。

相変わらずのスキルとユーモア。冒頭で自身も言っていましたが、まさに“MC松島らしい集大成のディス曲”となっています。

しかし、今回で特記すべきは曲ではなく、どちらかと言えば曲後の語り部分でしょう。動画の半分が語りですからね。これまでの好戦的な態度から一転して、素直にヘタレビーボーイへの敬意と感謝を示すのでした。

このあまりのツンデレぶりに、ヘタレビーボーイ側についていたファンも一転してMC松島を讃えていたのが多く目につきました。本気を出し合ってきたからこそ芽生えた相手への敬意と感謝。きっとこれは、熱い戦いを繰り広げてきた二人にしかわからない心情の変化なのでしょう。

ここにきて“みたらしBEEF”に、当初では想像もできなかったような“友情エンド”が見え始めてくるのです。

【FINAL BEEF 最終決着 by ヘタレビーボーイ④】


あれから4日後、2015年6月13日に遂にヘタレビーボーイによる最後の動画が公開されました。

とてもスキルフルで最後を飾るに相応しいヘタレビーボーイ渾身のディス曲だと思います。この曲を作るために、本業であるはずのYoutuber活動まで数日間休業しただけあって、これまでにはない高いクオリティになっています。

そして、最後の語り部分ではMC松島と同様、これまで戦ってきた相手への敬意と感謝を告げるのです。そしていつの日か二人で一緒に曲をつくりたいと夢を語るのでした。最高のエンターテイナーな二人のことなので、数日後いきなり仲良く曲を発表するなんてこともあるかもしれませんね。これからも注目しておきましょう。

なにはともあれ、これにて長かった“みたらしBEEF”が完結するのでした。

みたらし

ついに終わってしまった“みたらしBEEF”。4本目で二人共口をそろえて「とても楽しかった」と言っていましたが、リスナー側からも代表して言わせていただきたい「見ている方も楽しかった」と!

結局どちらが勝ったのか?

高いスキルとエンターテイメント性を証明し、当初批判的だった周りを全て実力でひっくり返し、最後には多くの賞賛と新たなファンを獲得したMC松島か。

それとも、こんなくだらないキッカケによるBEEFに律儀に付き合うことで“確かなスキル”の証明と、“良いヤツ”の称号を手に入れたヘタレビーボーイか。

いえ、きっとそのどちらでもなく本当の勝者は、ズバリ戦極MCバトルの主催者MC正社員でしょう!笑

今週末6月14日に彼が開催する【戦極MCバトル12章】には、MC松島、ヘタレビーボーイの両名が出場します。Twtter上でたいへん大きな話題を呼んだこのBEEFをみて、さぞほくそ笑んでいたことでしょう。更に大会の注目度を上げることができますからね。
戦極
“みたらしBEEF”がどれくらい影響を及ぼしたかはわかりませんが、戦極12章のチケットは完売だそうです。まぁ、もともと鎖UMBの予選の意味合いもある本大会は大注目されてましたけどね。

何にせよ、二人共最高のエンターテイナーでした。二人とも本当にお疲れ様でした。そして楽しい時間をありがとうございました。これまでもBEEFはたくさん見てきましたが、リアルタイムでここまで楽しめたのは、私にとって初めての経験でした。

明日の戦極12章でも大きな話題づくりを期待しています。そして、今後もご活躍を応援させていただきます。

では、今回はこのへんで。

[追記]



予想していた通り、ヘタレビーボーイ&MC松島でMITARASHI BOYZとして曲をリリースしました。しかし、iTunesやAmazonで音源を発売するのは予想外でした。笑
 





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