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日本語ラップ・MCバトルの“今”を語るブログ

動画を投下⑰(戦極MCBATTLE12章 関東乱舞編ベストバウト)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、毎度楽しみな【戦極MCBATTLE】DVD発売前の恒例行事、大会ベストバウトの動画がアップされましたので、それについて書きたいと思います。

毎度のことですが、DVD発売前にいくつか試合が見られるのは大変うれしいですね。そして、今回大会で特に思ったのが、出場MCがとても豪華で、試合レベルもこれまでの大会と比べて非常に高いということです。実際、この大会が開催された時、私もタイムリーにTwitterの実況にかじりついていましたが、現場の熱気は相当のものを感じました。そして大会終了後、すぐにDVDを購入することを決めていたくらいです。

今回ベストバウトとして6試合アップされて、どの試合もタレント同士の熱い戦いですが、今回はその中から3試合をご紹介したいと思います。それではいってみましょう。

【呂布カルマ vs ENEMY】


“これがボクシングならあり得ねぇ 言葉のウエイトに差があり過ぎる”

この試合では、今大会優勝することになる<呂布カルマ>の極上のパンチラインが炸裂します。この“言葉のウエイトに差があり過ぎる”のラインは、Twitter実況でも試合後すぐにあげられており、この頃から(現場はもっと前からかもしれませんが)大会の様子はまさに“呂布カルマ劇場”と化していき、このまま独走して優勝してしまうのだろうと多くの人が感じているような印象でした。まさに大会の雰囲気を全て掻っ攫った極上のラインだと思います。

実はちょうどこの頃は、<ZEEBRA>HIPHOPにおける押韻の必要性をTwitter上で発言したことが物議を醸していた時期でした(ちなみに今も再度その議論が再発中です)。バトルにおいては押韻にそこまで重きを置かず、言葉の強度・重みだけで圧倒的な強さを見せた呂布カルマがこの大会で優勝したことによって、その“押韻議論”が更に熱を帯びた印象があります。

R-指定が3連覇を達成してバトルを引退した後において、最初の大きな大会だったこの大会は、謂わば“次のバトルシーンを担うニューヒーロー”が決まる大会でもありました。結果として呂布カルマが優勝したことで、彼は一気にシーンの中心に君臨することとなり、それ以降の全ての大会において、優勝最有力候補として支持を得るようにまでなりました。

そういった意味でも、この大会は呂布カルマにとっても、R-指定引退後のバトルシーンにとっても、とても大きな意味をもつ大会で、歴史の転換期となった大会だったと思います。そして、彼が優勝したことで、これまでの定石だったライミングやフローといったバトルの評価軸が改めてリセットさせ、新たな強者のスタイルをシーン全体に見せつけることになりました。

そしてこの試合が、その新たな歴史の扉に手がかかった、まさにその瞬間だったと私は思います。

【MOL53 vs 言xTHEANSWER】


“教えてやるよ キャリアだけじゃねぇ やってきた それが全ての証明”

高校生RAP選手権での大活躍を経て、一気に中高生達のアイドル的人気者となった<言xTHEANSWER>と、UMB2012での輝かしい全国デビュー以来、シーンの重要人物であり続けている<MOL53>の平成生まれ対決。この大会で、<言xTHEANSWER>はただもてはやされているアイドルラッパーなどではなく、本物の実力を備えていることを証明したと思います。そのことについては、先日の戦極フェスにおいても、MC正社員やラッパー達が、改めて彼の実力を讃えていたのが印象的でした。この試合においても、彼は真っ向から戦いを挑み、自分のスタイルも貫きながらMOL53に喰らいついています。

言xTHEANSWERはバトルにおいて、前6小節で相手の言葉にアンサーを返し最後の2小節ではネタのライムを織り交ぜて見事な着地を見せます。教科書通りといったらそれまでですが、その基本に忠実な8小節の使い方は、謂わば先人たちが築いたバトルの定石と言える戦い方であり、それはつまり最も合理的な戦い方なのです。そして、それをやろうとしても、ここまで綺麗に決められるMCはそこまで多くはないのではと思います。

彼はまだまだ発展途上のMCだと思いますので、今後どんどん上手くなっていくでしょう。“守・破・離”の精神に基づき、まずは定石に忠実に、次はそれにアレンジを加えて、最後には自分自身で新しいスタイルを構築する。個人的には、そのような成長をしてもらいたいなと期待しています。

しかし、やはり現時点では、MOL53とはまだ実力の差がありました。MOL53も簡単に下克上は許しません。終始、横綱相撲ともいえる圧倒的な試合運びで、言xTHEANSWERを押さえつけています。そして注目すべきは、先ほどの試合にも引き続き、ここでも“言葉の重さ”というキーワードがでてくることです。

やはり、この“言葉の重さ”新時代のバトルシーンにおいて最も重要な評価軸になっているのはもはや間違いないでしょう(もちろんこれまでのバトルにおいても重要な項目ではあったのですが)。バトルMCが増え、そのスキルが高まり、観客の耳も肥えた現在のシーンにおいては、他のMCにはないオリジナルな“言葉の重み”を持つMCだけが生き残れる時代がきたのかもしれません。

【GADORO vs FEIDA-WAN】


“俺らのストーリーまだ先は暗い だが信じるこのマイクだけは離したくない”

先日行われた9sariUMBファイナル出場者同士の対決(この大会当時はどちらもまだ出場を決めていませんでしたが)。この試合は、これまでシーンを引っ張ってきたMCの一人<FEIDA-WAN>と、近年現れたシーンにおける期待の次世代ヒーロー<GADORO>による世代を超えたバトルというのがひとつの注目ポイントでした。

この試合のGADOROは、とにかくキレキレですね。お得意のライミングスキルは、去年よりも更に磨きがかかっている印象です。よく対戦相手に“チプルソのパクリ”と揶揄されてきた彼のスタイルですが、この次元は既に、誰かの真似をしてできるというレベルを有に超えていると思います。今年の9sariUMBでの大活躍もありましたし、今後GADOROに対するそのようディスも減ってくるのではないでしょうか。若手MCの中でも群を抜いた実力を持っていると思います。

対するFEIDA-WANも流石の実力者で、鋭いGADOROの攻撃に対し、しっかりとアンサーを返しています。しかし、途中からはGADOROの実力を認める発言も飛び出し、最後にはただ相手を讃えていました。GADOROのラストバースでは終始優しい笑顔で相手を見つめるFEIDA-WANが印象的です。西日本のバトルシーンにおける、ひとつの世代交代ともいえる試合となりました。

呂布カルマvsMOL53

今回紹介した3試合の他にも大会ベストバウトとして、【あっこゴリラ vs KZ】、【K-razy vs MCKUREI】、 【MC松島 vs Lick-G】の3試合と公式ダイジェストがアップされています。大会準優勝者KZと現在話題沸騰中の女性MCあっこゴリラの“ブス論争”が見応えある【あっこゴリラ vs KZ】、UMB大阪新王者K-razyとMCKUREIによる若手実力者通しのバチバチの戦いが見られる【K-razy vs MCKUREI】、そして揚げ足とりキングMC松島と、超新星実力派ルーキーLick-Gとのハイレベルな試合となった 【MC松島 vs Lick-G】。どれも見応えある試合ばかりです。そちらも是非チェックしてみてください。

このベストバウトを見て、残りの試合をDVDでみるのが更に楽しみになりました。DVDの発売日は10/30です。それまでこのベストバウトの動画をみて待つこととしましょう。

では今回はこのへんで。

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2 Comments

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個人的にはピックアップされなかった
度々コメントしている者です
あっこゴリラ vs KZ、lick-g vs MC松島を書いてほしかったですね。
僕個人的には呂布カルマ vs enemyクラスの名勝負だったと感じました。

2015/10/10 (Sat) 17:58 | EDIT | REPLY |   

Pto6  

Re: タイトルなし

> 個人的にはピックアップされなかった
> 度々コメントしている者です
> あっこゴリラ vs KZ、lick-g vs MC松島を書いてほしかったですね。
> 僕個人的には呂布カルマ vs enemyクラスの名勝負だったと感じました。

コメントありがとうございます。
今回、ベストバウト6試合から試合を選ぶの正直とても迷ったんですよね^^;
どれもいい試合ばかりで、全部書きたかったくらいです。実は2回に分けて書くことも検討したくらいです。
でも、まぁ12章はDVDも買う予定なので、もしそちらでも記事を書くようでしたら、今回触れられなかった試合についても、書くかもしれません。どのように書くかは未定ですが^^;

2015/10/10 (Sat) 23:39 | EDIT | REPLY |   

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