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新作音源に小さく貢献⑦(IN THE NAME OF HIPHOP by tha BOSS)

どうもPto6(ぴーとろっく)です。

今回は、今週発売された大注目の作品、<Tha BOSS>のファーストソロアルバム【IN THE NAME OF HIPHOP】について書きたいと思います。

謂わずと知れた日本のHIPHOPシーンにおけるモンスターユニット<THA BLUE HERB>のフロントマンBOSS(別名:ILL-BOSSTINO、BOSS THE MC)の初のソロ作品ということで、発売前からシーンの期待値が非常に高かった作品でした。そして、その高い期待値にしっかりと応えるだけのクオリティをもった作品に仕上がっています。是非聴いていただきたい作品です。

【IN THE NAME OF HIPHOP by tha BOSS】
THABOSS


<収録曲>
1. HELL-O MY NAME IS…
   Beats by Olive Oil
2. I PAY BACK
   Beats by HIMUKI
3. BLOODY INK
   Beats by DJ KAZZ-K
4. HELL'S BELLS feat. BUPPON, YUKSTA-ILL
   Beats by YOUNG-G
5. WORD...LIVE feat. 田我流
   Beats by Southpaw Chop
6. S.A.P.P.O.R.A.W. feat. ELIAS
   Beats by NAGMATIC
7. REMEMBER IN LAST DECEMBER
   Beats by INGENIOUS DJ MAKINO
8. MATCHSTICK SPIT
   Beats by PENTAXX.B.F
9. SEE EVIL, LISTEN EVIL, SPEAK NO EVIL
   Beats by PUNPEE
10. NOW IS NOT THE TIME
   Beats by INGENIOUS DJ MAKINO
11. WE WERE, WE ARE feat. B.I.G. JOE
   Beats by LIL'J
12. 44 YEARS OLD feat. YOU THE ROCK★
   Beats by DJ YAS
13. LIVING IN THE FUTURE
   Beats by DJ KRUSH
14. ABOVE THE WALL
   Beats by DJ KAZZ-K
15. ...RELEASED ALL
   Beats by grooveman Spot

<初回店頭特典CD>
1. AND AGAIN
   Beats by Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY

語るべきことが、とにかくたくさんある本作。いや、本来ならむしろ、何も語らずにとにかく聴いていただくことが正解なのかもしれません。しかし、語らずにはいられない本作のもつ魔力に導かれ、そして、偶然にもこの記事に流れ着いた誰かにとって、本作への興味をもってもらう小さなきっかけとなれることを慎ましくも期待して、筆を進めさせていただきたく思います。

1曲目【HELL-O MY NAME IS…】においてBOSS自身により語られる本作の概要。特筆すべきことのひとつ“豪華なトラックメイカー陣”についてもそこでは触れられています。

“腕利きのビート職人が揃ってる 挑戦こそが俺のオファーの条件”

<トラックメイカー陣>
・Olive Oil [1]
・HIMUKI [2]
・DJ KAZZ-K [3][14]
・YOUNG-G [4]
・Southpaw Chop [5]
・NAGMATIC [6]
・INGENIOUS DJ MAKINO [7][10]
・PENTAXX.B.F [8]
・PUNPEE [9]
・LIL'J [11]
・DJ YAS [12]
・DJ KRUSH [13]
・grooveman Spot [15]
・Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY [特典]

とても豪華な面子ですね。その中でも<DJ KRUSH>は、THA BLUE HERBがまだ無名時代、いち早く彼らの音源を東京でプレイし、北海道で埋もれていた彼らの名を全国に知らしめる大きなキッカケをつくったBOSSにとっては大恩人とも言えるDJです。今なおDJとして第一線でワールドワイドに活躍しているDJ KRUSHとの制作曲は、新たなBOSSを垣間見れる彼のネクストステージともいえる楽曲になっています。

【DJ KRUSH x tha BOSS Interview】


そして、本作におけるオファーへの拘りは、客演陣選びにも色濃く反映されています。本作に参加しているMCは、BOSSと同じく北海道を代表するラッパーから、場所は違えど同じ“ローカル”に根を張りシーンを動かし続ける同志達、そして、かつては“目の敵”とまでしていた“東京”の重鎮ラッパーにまで至ります。

<客演陣>
・BUPPON [4]
・YUKSTA-ILL [4]
・田我流 [5]
・ELIAS [6]
・B.I.G. JOE [11]
・YOU THE ROCK★ [12]

その幅広くも“本物”に拘り選出されたトラックメイカーとMCたち。謂わばBOSSからのその“本気のオファー”に対し、参加者は全員“本気のパフォーマンス”で応えています。

その中でも、他の参加者とはまた別次元の熱さをもって本作に参加しているMCがいます。そう、かつてはBOSSのディスの対象であった東京のMC【YOU THE ROCK★】です。この作品に対する彼の想い、そして彼にオファーを出したBOSSの想いについて、インタビュー動画が上がっているのでご紹介します。

【tha BOSS × YOU THE ROCK★】


アルバム終盤に収録されているこの楽曲は、一部お互いがお互いに語り合う形でバースが進行していきます。そこで交わされる今だからこそできる“同い歳二人”の熱い会話に、思わず胸にこみ上げてくるものを感じます。

“俺にもあるぜBOSS いつからか それは手元にあったんだ”

“俺にもあったよYOU 斬った張ったがマナーだ
両手は真っ赤だ だけど悪いことばかりじゃなかった”


“HIPHOPを愛し続けてこれたから やっと話せる言葉ってのはある”まさに日本HIPHOPシーンの黎明期から第一線で走り続け、現在も挑戦を続ける彼ら二人だからこそ交わせる会話がここにあります。

“それぞれのスタイルを貫こう”このようにして結ばれる本楽曲は、過去あった全ての因縁に終止符を打ち、互いのリスペクトで上塗りするだけのパワーをもった素晴らしい楽曲だと思います。

さて、続いてはMVが公開されている楽曲をご紹介します。

【MATCHSTICK SPIT】


“あの世一駅手前のこの世だぜ 肉体を使いきり骨しか残さねえ”

繊細なトラックの上に並ぶ、現在を鮮明に切り取る言葉たち。瀕死状態で倒れ込みながらも歌うBOSSが印象的なこのMV、現在の日本に漂う差し迫った緊張感と重ねあわせて見てしまいます。

“世界に兵隊出して認めてもらいたい 国の愛し方すら解り合えない”

“重苦しい車内 スマホ夢中で誰も目を合わせない”

“あり得ない事があり得た 20キロ圏内 もうずっと帰れない”


混沌とした世の中にいる現在の人々に対し、それでも懸命に生き抜くこと、最後までもあがき続けることを、BOSSが訴えているように私には感じました。少なくともBOSS自身はそうすると、この楽曲で宣言しています。歴史上大きな転換期を迎えるかもしれない2015年の日本にこそ強く響く、そんな楽曲だと思います。

現時点でMVとして公開されているのはこの1曲のみですが、この楽曲を聴いて少しでも胸に響くものを感じた方には、是非アルバムを手にとってもらいたいと思います。他の楽曲も渾身の出来栄えになっています。

かつてアメリカのHIPHOPにしか興味を抱けなかったBOSSに、日本語ラップとの出会いを与え、その道を歩むきっかけをつくった<B.I.G. JOE>との楽曲なども感動ものです。同じ北海道を背負うMCに対する多大なリスペクトを感じさせられます。他にも挙げ出したらキリがないほど、どの楽曲も素晴らしいものばかりなので、安心して手にとってもらいたい作品です。

[追記]上記の【WE WERE, WE ARE feat. B.I.G. JOE】のMVがアップされました。


そして、もし叶うなら是非とも店頭での購入をお薦めします。特典としては立派過ぎるほどの「初回店頭特典CD」には、しっかりと歌詞カードもついており、前述のとおりトラックメイカーは、あの【蜂と蝶】など多くの名曲を生み出した<Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY>なのです。こんなにも豪華な特典を貰わない手はありません。

特典

さて最後に、CD発売前に公開されたBOSSのインタビュー動画をご紹介して終わりたいと思います。今年のリリース作品の中でも大きな注目作となったこの作品。内容は文句なしの傑作だと思います。データでの配信もなく、ネット販売でも在庫数が少なくなってきて手に入りづらい状態が続いているようですが、この作品が多くの人に聴かれることを切に願っています。

【tha BOSS Interview】


では、今回はこのへんで。

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